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カイリー・アービング、優勝できるポイントガードになるためにまだ勉強中

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2016 NBAファイナル最初の2試合で、クリーブランド・キャバリアーズはゴールデンステイト・ウォリアーズに支配された。2連敗した理由の一つが、ポイントガードのパフォーマンスだ。カイリー・アービングはこの2試合でフィールドゴール36本中12本成功に終わり、アシスト(5)よりターンオーバー(6)のほうが多かった。

問題は、アービングはアシスト役とスコアラーの適切なバランスを見出し、レブロン・ジェームズが3度目の優勝を果たすために必要な存在になれるかということだ。

1989年と1990年にデトロイト・ピストンズでタイトルを獲得したアイザイア・トーマスは、21歳のときに自己最多の平均22.9得点を記録したが、アシストは平均7.8アシストだった。その2年後、トーマスはリーグ最多の平均13.9アシストをマークしている。

そのトーマスは「私がいつも抗ってきたのは、『伝統的』と『純粋』という言葉だ」と述べた。

「(ステフィン)カリーや(ラッセル)ウェストブルック、アービングには、そういう言葉に抗い続けてもらいたい」。

1年目から平均二桁得点をマークし、平均20得点を上回ったこと5回のロン・ハーパーも、1996年から1998年まで3連覇したシカゴ・ブルズで、マイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンとプレイし、アシスト役に変わった。

そのハーパーは「(アービングは)まだ成熟しなければいけない。とても良い選手で、彼が得点をあげられることは分かっているが、チームを動かすときになると彼はまだまだだ」と指摘する。

アービングは初めてフルで参戦するファイナルで、シーズン73勝を記録したチームを相手に、チームメイトを見つけられるポイントガードと、1対1から見事に得点をあげるスコアラーとのバランスを見出し、キャブズを助けることを求められている。

アービング自身も「あそこ(アイソレーション)でのプレイはやりやすいけど」と課題を認めた。

「チームメイトたちにとってもっと良い存在に、もっと効果的な存在になるために、僕はもう少しうまく自分の場所を選ばなければいけない」。

ハーパーは自身が得点をあげるのを減らさなければいけなかったが、「僕は優勝するチャンスを与えてくれるチームにいたかった」と強調する。

アービングが次のステップを踏み出すには、おそらくもっと経験が必要だ。現在のファイナルも学ぶ場としなければいけない。ジェームズの優勝経験とその助言に頼ることができる。ジェームズは第2戦の前に、「才能は間違いないと思うんだ」とアービングについて述べていた。

「戻ってきたときに、リーダーとして彼の成長を助けたかった。選手としての彼が成長し、こういう機会がいかに重要ではかないものかを理解してほしかった。そして彼は毎日成長を見せている」。

チャウンシー・ビラップスは「学ぶのは簡単ではない」としつつ、「一度それができれば、忘れることはない」と述べている。

キャブズは、このシリーズが終わる前にアービングが学ぶことを望んでいる。年月をかけてより完成された選手となり、優勝を経験したポイントガードたちは、アービングが今回そうならなかったとしても時間の問題でしかないと考えている。

ただそれは、クリーブランドの街にとって1963年以来となるメジャープロスポーツチームのタイトル獲得は、もう1年待たなければいけないということだ。

原文: Kyrie Irving is still trying to grow into a championship point guard by Sporting News(抄訳)


[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ