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リオ五輪出場に意欲のコービー・ブライアント、代表入りのメリットとデメリットは?

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コービー・ブライアントは、アメリカで最も優れた12名の一人ではない。来年夏のアメリカ代表のトレーニングキャンプで最も優れた12名の一人になることもない。むしろ、そのキャンプのNBA選手の中で最悪かもしれない。

しかし、2016年のオリンピックに出場するアメリカ代表にブライアントが加わることには意味がある。たとえ若手のスターを代償にしても、だ。

ブライアントは『AP通信』で「僕はプレイしたい」と述べた。

「そうなったら最高だと思う。素晴らしい経験だ。僕はグローバルな子供なんだよ。イタリアで育ったんだ。世界中のあちこちの、異なるスポーツのアスリートたちをたくさん知っている。その環境でプレイするのは素晴らしいことだろうね」。

ブライアントは、レブロン・ジェームズ、クリス・ポール、カーメロ・アンソニーのように、3度目の金メダルを獲得するチャンスを望んでいる。NBAでのラストシーズンとみられる今季を終えて健康体であれば、彼はそのチャンスに値する。

ブライアントをアメリカ代表に含めることの良し悪しを見ていこう。

デメリット:シンプルに、彼は良くない

これは議論の余地がない。今季のブライアントはロサンゼルス・レイカーズでひどいのだ。本人は「最悪だ」と表現している。フィールドゴール成功率は32.0%だ。

もちろん、今のアメリカ代表はたいてい相手を一蹴する。だが、もしも12人目が重要になった場合は? ブライアントはこなせるのだろうか?

メリット:彼は代表での役割を分かっている

2012年のロンドン・オリンピックで、ブライアントは補佐的な役割であることを受け入れ、1試合平均12.1得点だった。当時はアンソニーとケビン・デュラントが主なスコアラーで、ジェームズとポールがサポートしていた。2014年のFIBAワールドカップでアメリカ代表に加わったステフィン・カリーは、その中間をこなすろう。

ブライアントは「今はリーダーシップとかディフェンスの観点から価値をもたらせると感じる」と述べている。

「守備ではまだかなりうまく動くことができる」。

デメリット:彼は若手からポジションを奪うことになる

マイク・シャシェフスキー・ヘッドコーチとジェリー・コランジェロ・チェアマンの下で、アメリカ代表は継続性を身につけるために再建されてきた。特に重要だったのが、早い段階で若手を組み込んだことだ。ブライアントはブラッドリー・ビールやビクター・オラディポ、あるいはほかの若手シューティングガードのポストを奪うことになるかもしれない。

こういった選手たちは、最終ロスターに入ることを願ってトレーニングキャンプに臨むものだ。その彼らを遠ざけ、選手たちが関心を失えば、予期せぬ悪い事態につながりかねない。

メリット:彼はリクルートを助けられる

デュラントは、ブライアントとプレイしたいと言っている。ほかの選手たちもそうだ。そしてブライアントは、2012年のオリンピックで控えの役割を受け入れて広く称賛された。

ジェームズ、デュラント、ポール、そのほかの金メダリストたちが、2016年大会に参加するかどうかはまだ分からない。NBAで最もカリスマ性があり、説得力のあるスターの一人がいれば、この問題を解決する助けとなるかもしれない。

ブライアントはAP通信に「彼らの周りにいることは、僕にとってこの上なく重要なんだ」と述べている。

「彼らの多くとすでに築いてきた関係を続け、彼らと話し、互いに支え合って、理解するチャンスがあるなら、たとえただ一緒にいるだけでも、楽しいことだろうね」。

デメリット:彼がケガをしたら?

今シーズンを健康体で終えることができたら、ブライアントは幸運だ。彼が最後にそれを実現したのは、ロンドン・オリンピック前の2011-12シーズンである。再び負傷する懸念は常にある。

彼はおそらく、アンドレ・イグダーラ(2012年に34分間プレイ)、マイケル・レッド(2008年に25分間プレイ)のような役割を担うだろう。だが、ウィングプレイヤーの5人目を失えば、ほかの選手たちにとっては負担が増すことになる。

メリット:レジェンドを最高の形で送り出せる

レイカーズは悪い。ブライアントもその一員だ。それは確かである。だが、彼はNBAの歴史で最も偉大な選手の一人だ。さらに、国際的なバスケットボールの歴史においても、最も人気のある選手の一人だ。NBAが大きく国際的に広がっていった時代におけるリーグの顔だったことはほぼ間違いない。

女子バスケットボール界のレジェンドであるタミカ・キャッチングスは、2016年のオリンピックでの引退を予定している。WNBAや国外での勝利と王者としての著名なキャリアを築いてきた彼女は、ブライアントの古くからの友人でもある。それぞれの父親がイタリアでプロとしてプレイしていたときからの友人だ。

キャッチングスとブライアントはグローバルなスーパースターたちだ。彼らは赤、白、青で去るに値する。金色とともに、彼らを送り出そう。

原文: Kobe Bryant wants and deserves a spot with Team USA in 2016 Rio Olympics by Sportingnews

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ