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ニックスは大いなる未知数のチーム

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カーメロ・アンソニー、デリック・ローズ、クリスタプス・ポルジンギス、ジョアキム・ノア――。ニューヨーク・ニックスには、イースタン・カンファレンスのプレイオフに進むにふさわしい“核”がある。だが、それだけでは保証にならない。10月25日(日本時間26日)のクリーブランド・キャバリアーズとの開幕戦を前に、ニックスは未知数の存在だ。『ニューヨーク・デイリー・ニュース』のステファン・ボンディ記者は、フィル・ジャクソン時代において重要なシーズンとなる今季の最初のステップだと報じた。


カーメロ・アンソニー(左)を擁するチームにデリック・ローズ、ジョアキム・ノア、コートニー・リーらが加わったニックス

将来の殿堂入りが約束されるエリートスコアラーに、負傷と闘い続けるシカゴ・ブルズからの2選手を加え、ラトビア出身の21歳やイケイケのコーチと一緒にし、トライアングルオフェンスをさせようとしたら、どうなるのだろうか。それは、誰にも分からない。

カーメロ・アンソニーは「今はだからこそ興奮している。自分たちがどうなるか、何を達成できるかが分からない。でも、成し遂げられることに楽観している。どうなるか分からないからこそ、ワクワクするんだと思うんだ」と語った。

ニックスの実験は一見の価値ありだ。プレイオフに進めなければ、大きな失望となる。だがそれを上回れば、フィル・ジャクソン社長にとって自身が正しいと示す証明のシーズンとなるだろう。あるいは、エグゼクティブとして自分がやっていることを理解していないというさらなる証明になるかもしれない。

理論上では、デリック・ローズとジョアキム・ノアはチームにフィットする。だが、ジェフ・ホーナセックHCは、ジャクソン社長のトライアングルオフェンスへの願望を抑えつつ、彼らが一緒にうまくやれるかどうかを見出さなければならない。ボールは一つしかないのだ。そして自分がボールを持つのにふさわしいと感じる選手が3人いるのである。アンソニー、ローズ、クリスタプス・ポルジンギスだ。カギとなるのは、自分勝手なプレイをせず、役割を定義することだ。

アンソニーは「コートに立ち、一緒に始めて、誰が誰とフィットするのか、どうやってフィットするかを見てみるまでは分からない」と、未知数であることを強調する。

「僕らは何をするのか。チームとしてどんなアイデンティティを持つのか。攻守にわたってどうやっていくのか。やってみるまで、答えはないんだ」。

「一度うまくいきだしたら、見ていて楽しいものになるはずだと信じているよ」。

ニックスはローズが宣言した「スーパーチーム」に及ばないという意見が大半だ。NBA.comの毎年の調査で、ニックスがイースタン・カンファレンスの4位以内に入ると予想したGMはいなかった。高く評価したのは、NBA TVで解説を務める元ニックスHCのアイザイア・トーマスだけだ。

『TNT』のアナリストで、かつて“ニックスキラー”として名を馳せたレジー・ミラーは、「問題となるのは健康だ」との見解を示している。

「ノアとローズが最後までいけるか分からない。この数シーズン、彼らは健康の問題があったからだ。理論的には彼らが良くなっているのは間違いない。私が望むのは、彼らが最後までやれることだ。82試合を通じて健康を保てれば、イーストのプレイオフで彼らは本当にやれるはずだよ」。

原文:Knicks face great unknown by NBA.com(抄訳)​


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ