今夏NBA史上に残る移籍を決断したケビン・デュラントには、批判が殺到した。
中には、昨季NBA史上最多勝利記録を更新したゴールデンステイト・ウォリアーズへの移籍を、「優勝するのに簡単な方法を取った」と批判する声もあった。また、オクラホマシティ・サンダーでの盟友ラッセル・ウェストブルックとの関係性についての議論も多い。当事者であるデュラントは、HBOの『Any Given Wednesday』に出演した際、批判に対する心境、ウェストブルックとの関係についてなどを語った。
司会のビル・シモンズから、「あまりにも多くの批判を受けて苛立ったのでは?」と聞かれ、同意したデュラントは、「パンチを受けながらでも前に進まないといけなかった」と、答えた。
以下、シモンズとデュラントのやり取り。
シモンズ:「こういう事態になると予想していた? ゴールデンステイトに移籍することで、『意気地なし』扱いされると思っていた? 私はそうした意見を聞いたとき、彼はオクラホマシティより大きな街に行きたかった、もしくはサンダーとは異なるオフェンス、異なる経験をしたかったのではと思ったが、実際は?」。
デュラント:「『意気地なし』扱いされたとき、僕はまったくもって見当外れな意見だと思った。これまで何度も、今の生き方を止めることだってできた。試合に負けたとき、『もう終わり。次の人生に進ませてもらいたい』とも言えた。周囲の環境で芽が出なかった可能性だってあった。それでも僕は前に進み続けた。プロとしてエリートレベルに到達したというのに、何故、僕が『意気地なし』なんだ? これまでと違うチームでプレイすることを決めただけじゃないか。皆、自分たちが不快に思う決断を下した人物を悪く言う。僕には、全ての人の感情をコントロールすることなんてできない」。
シモンズ:「私はマサチューセッツ州のウースターにある大学に進学したんだが、4年生のときに学校を離れる準備を整えていた。違う街に移る準備ができていたんだ。だが、そうした話はあなたからは一度も聞いたことがないね」。
デュラント:「僕個人が、一人の人間として求めていることなんて、誰も気にはしない。彼らにとっては、僕がバスケットボールのコートですることが重要なんだよ。僕を批判する人は、たとえば火曜日に僕が釣りに行こうが、街中で写真を撮ろうが、どうでもいいと思っている。フープにシュートを決められている限り、彼らは他のことなんて気にもしない。自分のことを気にかけてくれていない人のことを、何故、僕が気にかけないといけないんだ?」。
デュラントは、ウェストブルックとの関係性については多くを語らなかった。ただ、「コート上ではこれまでと同じように仕事として対戦し、コートの外では会いに行くことも、話すこともないだろう」、と返答。また、ウェストブルックとて喧嘩を仕掛けてくることはないだろう、という見方を示してもいる。両者の関係性はあるがままで、そこまで話すことはないという考えのようだ。
原文:Kevin Durant: 'Nobody cares about what I want as a person' by Jordan Heck/Sporting News(抄訳)