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76ersとの延長契約に合意したジョエル・エンビード、新契約に含まれる『負傷に関する特別条項』とは?

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フィラデルフィア・76ersとジョエル・エンビードが、5年の延長契約に合意したと報じられた。球団と選手本人の将来にとっても明るい報せだが、エンビードの負傷歴を考慮した特別な条項が新契約に含まれているという。『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とボビー・マークス記者が詳細を伝えている。

76ersのジョエル・エンビードが球団と合意した5年1億4650万ドル(約164億5600万円)のマックス契約は、基本的に保証されたものだ。しかし、リーグ関係筋が『ESPN』に明かした内容によれば、仮にエンビードが契約に含まれる特定の身体部位を負傷した場合、76ersが財政面で球団にとってプラスになる決断を下せるという。

エンビードが満額を受け取れない例は以下の通りだ。2022-23シーズン終了後に満了する新契約の2年目以降、エンビードが契約に明記された箇所の負傷により、年間でレギュラーシーズン25試合以上を欠場、または年間の出場時間数が1650分を下回った場合、財政上の理由により、76ersはエンビードを解雇できるという。

同関係筋の話では、新契約に含まれている負傷箇所は、エンビードが過去に痛めた足と腰。この特別な条項は、同箇所の負傷によりレギュラーシーズン25試合以上の欠場、または年間出場分数が1650分を下回ったときのみ有効になる。

つまり、仮にエンビードがこの特別な条項に含まれていない部位のひざ、あるいは手首に重傷を負った場合、76ersはエンビードを解雇できない。類稀な才能を持つエンビードがキャリアにかかわる重傷を負わない限りは、76ersが彼を解雇する可能性は少ないだろう。

もしエンビードが2018-19シーズンにこの特別条項に該当し、76ersが同選手を解雇した場合、エンビードは総額8420万ドル(約94億5800万円)を受け取れる。同様に2019-20シーズンに当条項に該当して解雇された場合は9820万ドル(約110億3000万円)、2020-21シーズンは1億1330万ドル(約127億2700万円)、2021-22シーズンは1億2940万ドル(約145億3500万円)を受け取れる契約内容になっているという。

さらに、もしエンビードが新契約期間中に3シーズン続けてレギュラーシーズンの出場時間数が1650分を上回った場合、もしくは2017-18シーズンを含む今後4シーズン中3シーズンで同条件を超えた場合、上記の減額案は効力を失うという。

なおエンビードは、今季オールNBAチームに選出されるか、2017-18シーズンMVPを受賞するという基準を満たした場合、サラリーキャップの30%を占める総額1億7600万ドル(約197億7700万円)のスーパーマックス契約を得られる。

けがにより2年目まで棒に振ったエンビードは、昨季も負傷により31試合の出場に終わったものの、平均20.8得点、7.8リバウンド、2.5ブロックの活躍を見せ、球団の将来に大きな影響を与えられるだけの実力を示した。

原文:Report: Embiid's deal has injury clauses built in by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ