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ジョアキム・ノアが静寂を破り、フィル・ジャクソンやニックスについて心境を語った

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昨シーズンのニューヨーク・ニックスはフィル・ジャクソン、カーメロ・アンソニー、デリック・ローズと何かと騒がしい1年となってしまったが、チームで最も歯に衣を着せずに物を言う性格であろう選手からの発言を聞くことはあまりなかった。

けがの影響でコート上で貢献することが限られてしまったジョアキム・ノアは、それに伴って積極的な発言の数も減ってしまっていたのだ。しかし『ニューヨーク・ポスト』のマーク・バーマン記者によると、ノアはようやく本来の姿に戻りつつあるようだ。

ジョアキム・ノアが昨シーズンのことで後悔しているものは多くあるが、そのうちのひとつは自身の不甲斐ないプレイがフィル・ジャクソンの解雇につながる要因になったかもしれないことだ。

シーズンが終わってから初めて公にコメントしたノアは「自信を失った」ことと「正しく動けていなかった」ことを認めた。彼の薬物規定違反による出場停止処分も「多くの人を傷つけ」、「自身のキャリアで今後ずっと背負っていく必要がある」と語っている。

しかし今のノアは、ニックスの若いフロントコートのために模範的なベテランになり、名誉を挽回する準備ができている。

ようやく静寂を破ったニックスのセンターは、ポッドキャストの『Truth Barrel』との75分間にも及ぶインタビューで胸の内を明かした。ジャクソンに4年7200万ドルという大型契約を与えられたニューヨークでの1年目で、悪夢のようなシーズンを過ごした自分を責め続けていた。そして6月下旬にジャクソンが解雇されたのだ。

「辛いよ。フィルのことは大好きでとてもリスペクトしているからね」とノアは話した。

「彼は僕に地元でプレイする機会を与えてくれたんだ。彼のことはとてもリスペクトしている。しかしうまくいかなかった。残念だよ。そこは耐えないといけないところだ。彼は僕を信じてくれたのに、その期待に応えることができなかった。それは苛立たしいことだよ。彼の責任だという批判を多く受けていた。でもたくさん試合に負けたのは別にフィル・ジャクソンのせいではない」。

32歳のノアは、全てが良くない方向に転じてしまった1年のことを哲学的な目線で語った。

「言い訳をするつもりは一切ない。多くの人があのシーズンに対して怒っているのはわかっているけど、俺はそうじゃない。自分に対してかわいそうだとも思っていない。起きたことは全て自分の判断だった。僕は大人だ。ニューヨークでプレイしている。いいプレイができなかったから最悪だった。来シーズンは気を取り直して挽回するんだ。諦めないよ」。

「ニューヨークのことはよく理解している。もしカムバックしてちゃんとできれば、それもまた大きなストーリーになるんだ」とノアは付け足した。

これまでに2度オールスターに選出されているノアは、自身のプレイが著しく低下していったのを経験した。様々なけがに悩まされ、薬物規定違反による出場停止処分でシーズンを終わらせてしまった。ノアはアンドロゲンの陽性反応が確認され、20試合の出場停止処分を下されてから、4月下旬に断裂した右肩回旋筋腱板の手術を受けた。出場停止処分はまだ12試合残っており、来シーズンは11月13日の(クリーブランド)キャバリアーズ戦まで出場できない。

ニックスは再建モードに突入しており、ビッグマンのウィリー・エルナンゴメスとクリスタプス・ポルジンギスを含む若手を主体にチームを作ることを優先事項に掲げている。ノアは彼らにとって大きな影響を与えられる存在でありたいと考えている。それに加え、チームがドラフト1巡目で獲得したポイントガードのフランク・ニリキナとフランス語で会話ができる唯一の選手でもあるのだ。

「僕のポジションでいい若手が多く台頭してきている」とノアは言う。

「NBAを高いレベルで経験していたい。この若い選手たちがひどいものばかり見てきていることに納得していないんだ。彼らにいいベテラン選手がいることはとても重要だ。若い選手たちにとって、自分がそんな存在でありたいと感じている。正しい方向に導いてやりたいんだ」。

ノアは昨シーズン中に自信を失ってしまったことも何度か述べていた。出場した46試合ではフリースローで苦労し(成功率43%)、オフェンスではリズムに乗れず、ディフェンスでも一歩後れをとっているようだった。彼は「とても大きな契約」を交わしたことから「多大な期待」を感じていたことを認めた。

「多くの逆境を経験した」とノアは語った。

「怪我もあって、自信を失ってしまっていたんだ。これから立て直し、自分がどんな選手なのか証明する時間だ。自分がどんな人間か見せる大事なときだ」。

ノアはさらにこう付け加えた。

「まだまだ越えなければならない山は多い。自分の役割が何になるのかはまだわからない。何が待ち構えているかもわからない。とにかくできるだけ準備を整えた状態で迎えたいんだ」。

原文:Noah breaks his silence on Phil, trying time with Knicks by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ