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[来日インタビュー]ブラッドリー・ビール「2020年に東京に戻ってくることを楽しみにしている」

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Bradley Beal in Japan

――ようこそ日本へ。今回の日本訪問では、どのようなことを楽しみにしていますか?

できるだけ何でもやりたいと思っているよ。明日は相撲を観戦する予定だし、観光もしたいし、いろんなものを食べてみたい。今日、代々木のバスケットボールコートに行くのも楽しみにしているよ

――ワシントン・ウィザーズのチームメイトのジョン・ウォールが2年前に来日したのですが、彼から日本について何か聞きましたか?

来日は急に決まったことだから、ジョンとは日本の話はしていないよ。でも、実際に日本に来てみて、美しい街だし、人々も凄く親切にしてくれるので、とてもいい気分だよ。

――プロ4年目のシーズンを終えました。ここまでのご自身のキャリアを振り返った感想は?

今までのところは良いキャリアを送れていると思う。僕はいつも自分に「今より良い選手になろう」と言い聞かせていて、ここまではそれを達成できているし、これからも自分を信じて成長していきたいと思っているよ。

――ウィザーズは今シーズン惜しくもプレイオフ進出を逃しました。自分のチーム以外がプレイオフで争っているのを見るのはつらいですか?

そうだね。凄くつらいよ。特に、昨シーズンまでは2シーズン連続でプレイオフに進出したし、今シーズンはさらに上を目指せるメンバーが揃っていただけにね。プレイオフに行けなかったことは本当に残念だよ。でも、そうした苦い経験から学ぶことも多いので、僕も他のチームメイトもこの経験を糧にして、来シーズンはきっとプレイオフに戻ってくるよ。

――勝率5割は悪くない数字だったと思うのですが、それでもウィザーズはプレイオフを逃しました。今シーズンのイースタン・カンファレンスはかなりの激戦だったのではないですか?

毎シーズン激戦ではあるけれど、特に今シーズンは、2シーズン連続でプレイオフに行った僕たちのチームは、他のチームから“危険なチーム”として標的にされていたのかもしれない。来シーズンは、まずトレーニングキャンプでチームメイトと共に「今の自分たちの力」を再確認することから始めて、NBAチャンピオンに向けて新たなスタートを切るつもりだ。

――NBAのヘッドコーチになって1年目の、オクラホマシティ・サンダーのビリー・ドノバン・ヘッドコーチ(ビールにとってフロリダ大学時代のHC)は、現在ウェスタン・カンファレンス・ファイナルに進出しています。彼の仕事ぶりをどう思いますか?

ドノバンHCはとても良い仕事をしているし、彼の成功を見るのは嬉しいよ。サンダーには2人のスーパースターがいて、ビッグマンも揃っている。そういった才能を上手くまとめて良いチームを作っていると思う。

――得点力のあるガードコンビが最近のNBAの主流になっています。あなたとウォールのコンビは、リーグでも1~2を争うガードコンビですね。あなたたちは今でも十分、攻守両面において素晴らしい活躍をしていますが、さらに上を目指すには何が必要でしょうか?

試合に勝つことが何よりも必要だね。個人の成績を伸ばしたり、毎試合安定した活躍をすることはもちろん大事だけれど、チームを勝利に導かないと意味がないし、チームを勝たせることで、自分だけでなくチーム全体をレベルアップさせることができるからね。

――あなたのシュートフォームはとても美しいですね。そのシュートフォームは誰かの指導によるものでしょうか? それとも生まれついてのものでしょうか?

その両方だね。僕がバスケットボールを始めた頃、最初にシュートを教えてくれたのは母だった。そこで僕のシュートの基礎が築かれたのだけれど、それ以降、何度もシュート練習をすることで自然とシュートフォームが体に記憶されていったんだ。

――あなたはシュートするときに体が横に流れてしまうことがありません。ドリブルからのプルアップやステップバックのときも、いつも真上にジャンプしています。何か特別な練習法はあるのでしょうか?

ボディバランスを保つために、腹筋を中心に上半身全体を鍛えているよ。上半身の強さは、ジャンプシュートだけでなく、ディフェンダーと接触しながらシュートするときなど、コート上のあらゆるプレイに大きく影響するからね。ウェイトルームで鍛えるときは、いつも正しいフォームでトレーニングするように心がけているよ。

――毎年シュート成功率を上げていますね。自分のシュートに自信を持つことが安定してシュートを決めるポイントだとお考えとのことですが、どうやったらそれだけの自信を持つことができるようになるのでしょうか?

とにかく自分を信じ続けることだね。バスケットボールをプレイしていると、周りの人からいろいろと口を出されることもあるけれど、まず自分を信じることから始めないと何も達成することはできない。自分のゴールを設定して、それを達成するためにひたすら自分を信じ続けるんだ。

――同じシューターとして、数々の記録を塗り替えているステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)のことをどう思いますか?

彼は素晴らしいシューターだね。いつも安定してシュートを決めることができる。ハーフコートショットもたくさん決めるしね(笑)。彼はどこからでもシュートを決められる凄い選手だと思うよ。

――アメリカ代表として、今年のリオデジャネイロ・オリンピックや2020年の東京オリンピックへ出場する可能性があります。母国を代表することは、あなたにとってどのような意味があるでしょうか?

誰もが代表チームの最終候補に残れるわけではないから、そこに名を連ねることができるのは素晴らしいことだし、とても光栄に思っているよ。もし代表チーム入りしてオリンピックでプレイすることができたら、それは僕にとってNBAにドラフトされたときと同じくらいの栄誉になるし、その貴重な経験を楽しみたいね。

――日本のファンは、あなたがアメリカ代表として2020年に東京に戻ってくることを楽しみにしています。

僕もそれを楽しみにしているよ!

――あなたの憧れのNBA選手はアレン・アイバーソンだそうですが、バスケットボール選手以外で尊敬する人物はいますか?

僕の兄弟だね。特に兄たちは、高校時代から現在に至るまで、ずっと僕のそばにいて僕を後押しし続けてくれた。僕が今も絶えず上を目指せるのも、兄たちの後押しがあってこそなんだ。

――あなたはゲーム好きだそうですね。『コール・オブ・デューティー』というゲームがかなり好きだと聞いています。NBA 2Kシリーズもチームメイトとよくプレイするそうですが、NBA 2K16のあなたの能力値やグラフィックには満足していますか?

ハハハ! いや、能力値に関しては全然満足していないよ(笑)。でも、グラフィックは凄いね。僕が身に付けているアイテムやシューズはもちろん、僕のシュートフォームも忠実に再現してるしね。本当に凄いゲームだと思うよ。まぁ、どの選手もそう思ってるだろうけれど、能力値はもうちょっと上げてほしいかな(笑)

――とても大食いで、チームメイトから“ビッグパンダ”と呼ばれているそうですが、好物は何でしょうか? 日本ではどんな食べ物を食べたいですか?

僕の好物はスパゲッティだよ。日本では、みんなが勧めてくれるのでツナ(マグロ)を食べてみたいね。たぶん寿司で食べることになるかな?

――ラッパーのNellyとは家族ぐるみで仲が良いそうですが、やはり彼が一番好きなミュージシャンでしょうか?

ネリーは僕が子供の頃からの知り合いだから、子供の頃は彼が一番好きなアーティストだった。今はヒップホップを中心にいろんな曲を聴いているよ。

――いつもオシャレですね。特にシャツとネクタイのスタイルに眼鏡を合わせているのがオシャレです。服を選ぶときに気を付けていることはありますか?

そのときのムードを大切にしている。キッチリしたい気分のときはスーツを着るし、その日の天気によって服を決めることもあるよ。

――バスケットボールシューズに関してはどうでしょう? お気に入りのモデルはありますか?

『NIKE Hyper Rev』だね。僕のプレイヤー・エクスクルーシブも出ているからね。時々ストラップが取れてしまうけれど、その点はそんなに気にならないし、何よりもとても履き心地が快適だから凄く気に入っている。

――趣味は何ですか? オフのときには主に何をして過ごしているのでしょうか?

音楽を聴いたり、映画を観たり、家でリラックスしてビデオゲームをしたり、カードゲームをしたりしているね。絵を描くこともあるよ。といってもスケッチなので、君の絵ほどじゃないけれどね(笑)

――もしNBA選手にならなかったら、どんな仕事をしていたと思いますか?

きっと医者になっていたと思う。数か月だけれど、大学で専攻した生物学がとても興味深かったんだ。

――ファンのみんなが知らない秘密の特技はありますか?

う~ん、そうだなぁ……実は僕にはコメディアンの素質があるとか?(笑)。(横で見ていたガールフレンドに「あなたはビデオゲーマーじゃないの?」と言われて)そうそう、僕はゲームが上手いんだ。NBA 2Kとかマッデン(アメリカン・フットボールのゲーム)とかね。もちろんコール・オブ・デューティーも! 特にコール・オブ・デューティーはかなりの腕前だよ。

――では、将来ゲームのプロとしてEスポーツの大会に出ることは考えていますか?

いやいや、ゲームのプロは本当に凄いから、きっと瞬殺されちゃうよ(笑)

――去年日本に来たNBA選手(カリー、アンドレ・イグダーラ、デイミアン・リラード)はみんな今年良いシーズンを送ったので、訪日はとても縁起がいいんですよ。

よし! ということは、次は僕の番だね!(ガッツポーズ)

取材:西尾瑞穂 Twitter: @jashin_mizuho / 及川卓磨(NBA Japan/Perform) Twitter: @oitaku


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ