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マブスのスタイルに順応中のハリソン・バーンズ「日々レベルアップしようと努力している」

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今夏ゴールデンステイト・ウォリアーズからダラス・マーベリックスに移籍したハリソン・バーンズ(フォワード)は、未来のバスケットボール殿堂入り選手であるダーク・ノビツキーがどういうチームメイトになるか想像もつかなかった。これまでは対戦相手の選手であり、ストイックな選手という印象を持っていたからだ。しかし、普段のノビツキーを知って驚いたという。

バーンズは『Shock Doctor』のマウスガード、『McDavid』のサポーターのPRイベントに出席した際、「ダークは、今まで一緒にプレイした選手のなかで誰よりもひょうきんな人」と『Sporting News』に語った。

「これまでに彼とプレイした選手に聞けば、きっと証明してくれるよ。本当に驚いた。彼は超がつくほどシリアスな人で、とにかくハードワークをこなす選手という印象だったから。コート上では常に仕事に集中する選手だけれど、コートを離れれば陽気な人。彼と一緒にやれて楽しませてもらっているよ」。

今夏4年9500万ドル(約112億円)のマックス契約をマブスと結んだバーンズは、それから驚くようなことばかり経験している。最大のサプライズは、ノビツキーを含む負傷者の多さへの対応だ。主力に負傷者を多数抱えるマブスは、今季苦戦を強いられている。キャリア4年目の昨季まで所属したウォリアーズでは、合計238勝90敗という好成績を残し、ウェスタン・カンファレンス優勝を2回経験した。それがマブスでの1年目では、現時点で7勝21敗。あと3敗で、ウォリアーズでの直近2シーズンに喫した敗戦数(24)に並ぶ。

チームにとって厳しい状況に変わりはないものの、4番手の攻撃オプションからオフェンスの起点へと役割が大きく変わろうとしている今季、バーンズは平均20.2得点、5.5リバウンド、フィールドゴール成功率46.4%を記録し、潜在能力の高さを証明している最中だ。個人としては順調なシーズンを送っているが、現在のマブスは十分に経験を積んでいない選手に出場機会を与えなくてはならない状態が続いている。

バーンズは、「日々、新しいことを学んでいるし、レベルアップしようとしているところ」と言う。

「個人的には良いシーズンを送れている。チームとして考えると、今はチームの勝利に貢献することをモチベーションにしているところだね。今は厳しい立ち位置にいて、勝利を得るために努力している。それでも毎日レベルアップして、勝とうと努力している。今の戦績が示す以上の実力があるチームだけれど、現状を言い訳にはできない」。

そしてバーンズにとって何よりも大きな変化は、チームのプレイスタイルにほかならない。ここ2シーズンはオフェンスのペースでNBA1位か2位の数字を残していたウォリアーズと異なり、リック・カーライル・ヘッドコーチが率いるマブスは現在同29位のチームだ。

だがバーンズは笑顔を見せ、「少しは対応が必要だけれどね」と語った。

「今のチームのスタイルはウォリアーズとは異なるけれど、マブスは2011年に優勝している。だから、今のスタイルが機能しないとは言えないはずさ。ペースが異なるオフェンス、異なる性質のバスケットボールを学べるのは自分にとっても良いこと。より速いペースのスタイルなら、1試合でのポゼッション数も増えるからターンオーバーも許容される。それがダラスのようにスローペースのスタイルなら、ターンオーバーは勝敗を左右しかねない重要な要素になってしまうし、ミスショットがチームに与える影響も大きい。異なるやり方だからね」。

チームのプレイスタイルの違いにより、バーンズのスタイルも変化している。ウォリアーズ時代はショットの42.8%がコーナーからの3ポイントショットだったが、マブスでは相手と接触しながら放つミッドレンジショットが増え、コーナーから放つショットの割合は26.3%にまで減少している。3Pラインから約3m内側のエリアから放つショットの割合は、ウォリアーズ時代の26.0%から47.9%に増えた。

それでもバーンズはミッドレンジから約42%のFG成功率を残しているため、マブスにとってもオフェンスを機能させる上でバーンズがショットを打ち続けることが重要になる。バーンズは、「コーチ・カーライルはミッドレンジのショットを好む」と話す。

「多くのコーチがそれを好まないのを知っているけれど、彼は僕にミッドレンジからのショットを安定して決めるよう求めている。ウォリアーズでは3Pを多く放ったけれど、それはチームのシステムの違いと、ピック&ロールを有効に使ってオフェンス時にコートを広く使えたことも大きかったし、相手の守備を引き付けられる優秀な選手が揃っていたからできたこと。ダラスでは、より多くのショットを生み出さないといけなから、3Pの数を増やすのは大変なんだ。今のチームではミッドポストかエルボーでボールをもらうことが多いから、そこから攻撃を生み出そうとしている。その部分でもレベルアップできるよう努力しているよ」。

ノビツキーがアキレス腱の負傷から健康な状態でチームに戻ってくれば、バーンズに対する相手のマークの厳しさも和らぐはずだ。ノビツキーの復帰時期についてバーンズは明言を避けているが、早ければ来週中にも復帰可能と見られている。

「ダークとは頻繁に話しているよ。彼は若い選手とも話をして、ポジティブな姿勢を維持するように伝えている。彼はそういう助言を頻繁にしてくれる。でも、彼が実際にコートにいるのといないのとでは段違い。チームには彼が必要だ」。

原文:Harrison Barnes embraces Mavericks culture, from midrange jumpers to Dirk jokes by Sean Deveney/Sporting News


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