サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチは、普段あまり感傷に浸ることはない。
だが、ティム・ダンカンの現役引退のようなことは、毎日起こるわけではない。
不機嫌に見えることの多いスパーズ指揮官は、7月12日(日本時間13日)に行なわれた会見に応じ、19年の現役生活でチームに5度の優勝をもたらした愛弟子について、ESPNに語った。
「ティム・ダンカンのためでなければ、今この場にはいなかっただろう。もし彼と出会っていなければ、きっとバドワイザーリーグにでもいただろう。アメリカのどこかで、肥満体でプレイしているか、どこかでバスケットボールを教えていたと思う。だが、彼と出会えたからこそ、私は今ここに立っていられる」。
スパーズは、7月11日(同12日)の朝にダンカンの引退を発表。ダンカン本人は会見に出席せず、ポポビッチHCに最後を託した。ポポビッチHCは、ダンカンについて、「代えの利かない存在」と、話した。
「我々全員が唯一無二の存在だろうが、彼は多くの人にとって重要な存在だった。それは、とてつもないことだ」。
目立つことを好まないダンカンは、控え目な性格で知られている。ポポビッチHCは、ダンカンのそうした性格も高く評価している。
「最近は多くの選手がやっていることだが、ティミーが、まるで世界で初めてダンクをしたかのように、自分の胸を叩く姿を見たことがないだろう。彼は空を指さすこともしない。カメラにアピールすることもしない。淡々とプレイするだけ。長い間、それが当たり前だった。しかし、そういう面を思い出せるということが、特別なことなんだ」。
原文:Gregg Popovich comes out of his shell to praise Tim Duncan by Steven J. Gaither/Sporting News
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