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元レイカーズのロバート・サクレがBリーグ サンロッカーズ渋谷に入団

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1月12日、Bリーグのサンロッカーズ渋谷と契約した元ロサンゼルス・レイカーズのセンター、ロバート・サクレ(27歳)が、渋谷ヒカリエ 8/ COURTで入団記者会見を行なった。サンロッカーズによれば、サクレは現在Bリーグに所属する外国籍選手において、大学卒業から直近までNBAに在籍、プレイした初めての外国籍選手になるという。

現在八村塁が在籍しているゴンザガ大学出身のサクレは、2012年のNBAドラフト2巡目60位でレイカーズに指名され、昨季(2015-16シーズン)まで4シーズンをプレイ。NBA通算では189試合に出場し、平均14.5分、4.2得点、3.1リバウンド、0.7アシスト、0.3スティール、0.6ブロックを記録した。

213cm、118kgの体格を誇るサクレの獲得は、SR渋谷の岡博章社長曰く「インサイドで苦戦している」というチームにとって攻守両面において心強い戦力になると予想される。

「インサイドが弱かったことがデメリットでプレイの幅が狭まっていたが、そこが飛躍的に良くなるだろうと確信している」と、岡社長も大きな期待を寄せている。

サクレは「最初に日本でプレイするというオファーを受けたことを聞いたとき、とても嬉しかった。ロサンゼルスという素晴らしい街から東京というエキサイティングな街に移ってプレイすることは、僕にとってとてもスペシャルなこと」と語っている。

またチームの印象について「若手とベテランの割合が非常に良く、しっかりとしたバスケットがプレイできると思う」と話すサクレは、「コーチのスタイルも気に入っている。このチームは無限の可能性を秘めていると信じているので、良いゲームをしていきたい」と抱負を述べた。

「とにかくボールを回してくれれば、必ず結果を出す。良いチームだと思うし、しっかりコートを駆けまわってプレイしていきたい」。

サクレ獲得の経緯について、「サンロッカーズのマネージャーがサクレ選手の代理人と以前から懇意にしていたということで、彼の動向は以前からウォッチしていた」という岡社長は、現在SR渋谷に所属するアイラ・ブラウン、昨季まで所属していたジョシュ・ハイトベルトらがゴンザガ大学出身であることから、同大とも密な連携をとっていたという。その中で同大出身のNBA選手であるサクレが獲得候補に挙がり、昨秋から本格的な交渉をスタートした。サクレ自身もブラウンや現在川崎ブレイブサンダースに所属するライアン・スパングラーらゴンザガ大出身の同窓の仲間から日本について良い話を聞いていたという。

岡社長は「夏頃から(サクレに)注目していた。チームのセンター陣が故障で離脱し、代わりになる選手を探していた。NBAのシーズンも始まる時期だったので、様子を見ていたが、秋頃から代理人と交渉をスタートした」と言う。

「我々からすると『雲の上の選手』で、渋谷に来てくれる感触を得てはいたものの、半信半疑で交渉を続けていた。結果的に、彼も渋谷に来ることを楽しみにしているということで、昨年末、契約締結にこぎつけた」。

1月4日に日本に到着したサクレは、先週末からすでにチーム練習に参加。早ければ18日の川崎戦(横須賀アリーナ)から出場する予定で、“ホームデビュー”は21日の仙台89ERS(青山学院記念館)になる予定だ。

なお、この会見では特別指定強化選手としてSR渋谷に入団(5月までの期限付き)し、13日からチーム練習に合流することが決まった杉浦佑成(筑波大学3年・195cm・95kg)も登壇した。杉浦は関東大学リーグで優勝し、最優秀選手にも選ばれた次期日本代表候補の21歳。Bリーグの満22歳以下の選手を対象とした育成・強化プログラムである特別指定強化選手制度を利用してSR渋谷入りする。

「同じポジションの選手に負けず、オフェンス、ディフェンスともにがんばって、チームに貢献したい」と意気込みを語る杉浦は、サクレについて「気さくな人」とその印象を語った。

「控え室で2人きりになったときに、僕は英語もしゃべれないのでどうなるかなと思っていたら、簡単な英語で『NBA選手は誰が好きなの?』と聞いてくれたりした。人間として素晴らしい人なんだと思った」。

元NBAの実力派と、大学界屈指の好選手が加入するSR渋谷は、15日のBリーグ オールスターゲーム後にシーズン後半戦が始まるBリーグの中でも、注目チームのひとつになりそうだ。

取材・文:及川卓磨(NBA Japan編集長) Twitter: @oitaku


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