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2017-18シーズンに活躍が期待される欧州出身5選手

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9月17日(日本時間18日)、スロベニアがセルビアを93-85で下してFIBAユーロバスケット(欧州選手権)で初優勝を飾った。

NBAトレーニングキャンプ開始まで2週間となった時期に終わった24チームによる白熱した今大会では、今季の活躍が期待できる選手も見られた。

そこで今回は、欧州選手権に出場した選手の中で、今夏移籍した選手、もしくは新たな環境でプレイする5人の注目選手を紹介したい。

デニス・シュルーダー

アトランタ・ホークスのシュルーダーは、ドイツを準々決勝に導いたが、強豪スペインに敗れた。シュルーダー個人は、大会2位となる平均23.7得点、5.6アシストを記録。欧州選手権での試合を見る限り、ホークスファンを元気づける要素もいくつか見られた。

昨季3ポイントショット成功率34.0%を記録したシュルーダーは、今大会で3P成功率38.7%をマークした。ほんの数パーセントの上昇ではあるが、今季のシュルーダーにとっては大きいだろう。

2017 Eurobasket Germany Dennis Schrouder

今大会では合計216分出場し、獲得したフリースローは45本で、36分換算にすると1試合平均7.5本のフリースロー試投数を記録したことになる。これは、同条件化で昨季記録した3.7本の2倍以上に相当する。

シュルーダーが次のステップに進む上で欠かせないのは、効果的な3Pを打てるかどうかだ。昨季は1試合平均のドライブ数でリーグ2位(12.3)の数字を記録したが、フリースロー成功率が低かったおかげで全体的な効率は悪かった。もしドリブルから高い確率で3Pを決められ、フリースローでイージーな得点を稼げれば、対戦相手にとってシュルーダーをガードするのは骨が折れる仕事になる。

ラウリ・マルッカネン

マルッカネンは、フィンランドのグループラウンド首位通過(4勝1敗)に貢献したが、ラウンド16でイタリアに敗れた。2017年ドラフト全体7位でシカゴ・ブルズから指名されたマルッカネンは、今大会で流れるようなオフェンス能力を発揮し、NBAでも即スコアラーとして活躍できる力を証明した。

2017 Eurobasket Finland Lauri Markkanen

7フッター(213cm)のマルッカネンは、NBAレベルの筋力とディフェンスの下地が身に着くまではパワーフォワードで起用される可能性が高い。今大会では平均19.5得点、フィールドゴール成功率53.3%。3P成功率47.8%、フリースロー成功率89.7%を記録。もし欧州選手権でのマルッカネンをチェックしていなかったとしても、7フッターで50/40/90という数字を残したというだけで、選手としての能力の高さがわかる。

ボグダン・ボグダノビッチ

身長198cmのボグダノビッチは、セルビアを決勝まで導いた。今季からNBAでプレイするため、25歳にしてサクラメント・キングスの新人扱いになる。2014年ドラフト全体27位でフェニックス・サンズから指名されたボグダノビッチは、指名を受けてから3年間、契約を満了するまでトルコのフェネルバフチェに所属。その間の2016年ドラフト当日のトレードにより、交渉権がサンズからキングスに譲渡された。

2017 Eurobasket Serbia Bogdan Bogdanovic

ボグダノビッチはオフ・ザ・ボールの動きに優れ、自ら得点機会を作れるほか、チームメイトのチャンスも演出できる万能型オフェンシブプレイヤーだ。今大会では平均20.4得点、5.0アシスト、3.6リバウンドを記録した。

実質ルーキー扱いにはなるものの、国際舞台での経験が豊富なため、若手が多いキングスのウィングとして即ローテーション入りは間違いない。ひょっとすると、今季の新人王レースでダークホースになるかもしれない。

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パウ・ガソル

NBA、そして国際大会でも大ベテランの域に入ったガソルは、今大会中に欧州選手権での歴代最多得点記録保持者となった。今大会では平均17.4得点、7.8リバウンド、2.6アシストを記録したほか、ロシアを下して銅メダルを獲得した3位決定戦では26得点、10リバウンド、3ブロックの活躍を見せ、スペインの勝利に貢献した。

2017 Eurobasket Spain Pau Gasol

キャリア16年目の選手に新たな武器を期待するのは難しい。だが、ガソルは直近2シーズンでアウトサイドシュートを向上させている。昨季はキャッチ・アンド・シュートからの3P成功率でNBA最高値を記録したほか、今大会でも17本中6本の3Pを成功させた。

今夏はサンアントニオ・スパーズとの契約最終年を破棄した上で、スパーズと再契約を結んだ。スパーズは今年のオフに大物フリーエージェント選手を獲得できなかったため、優勝を目指すにはガソルの貢献が重要になる。

ゴラン・ドラギッチ

スロベニアを欧州選手権初優勝に導き、大会MVPを獲得する大活躍を見せた。セルビアとの決勝では、足の痙攣によりコートを離れるまでに35得点、7リバウンド、3アシストを記録したほか、今大会では平均22.6得点、5.1アシスト、4.4リバウンド、3P成功率38.5%をマーク。ドリブルも冴え、36分換算では1試合平均10本のフリースロー試投数という数字を残した。

昨季のマイアミ・ヒートは、後半戦に怒涛の追い上げを見せたものの、僅かの差でプレイオフに届かなかった。今夏大物選手は獲得していないが、ディオン・ウェイターズ、ジェームズ・ジョンソンら主力を残し、ジャスティス・ウィンズロウ、ジョシュ・リチャードソンら若手の成長も期待できる。そのチームをまとめる選手こそ、昨季30歳でキャリアベストに入るシーズンを送ったドラギッチだ。

2017 Eurobasket Slovenia Goran Dragic

昨季の3P成功率が40.6%だったドラギッチは、プルアップからの3P成功率でも42.7%を記録し、1試合平均ドライブ数でもリーグ3位(11.9)に入った。攻撃に欠かせないエンジンの出来次第で、ヒートが今季イースタン・カンファレンス上位に入れるかが決まる。欧州選手権でのようなプレイが見られれば、その可能性も高まるはずだ。

原文:EuroBasket Stars Ready To Shine In The 2017-18 NBA Season by Ian Levy/Nylon Calculus/The Step Back(抄訳)
Photos by AFP


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ