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今夏、D・ウェイドが迫られる決断

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マイアミ・ヒートとドウェイン・ウェイドの契約交渉が難航するかもしれない。

28日(日本時間29日)にAP通信が伝えたところによると、ウェイドの契約は2015-16シーズン終了まで残っているものの、来季は1610万ドル(約19億9000万円)のプレーヤーオプションを保持しており、今夏フリーエージェントになることができる。事情に詳しい関係者は、ウェイドは今夏FAになることも含めてまだ何も決めていないとAP通信の取材に答えたという。

また、Sporting Newsによれば、ウェイド側はヒートと3年契約を希望しているという。来年のオフには、NBAが米テレビネットワークと締結した9年総額240億ドル(約2兆9000億円)という巨額の放映権契約に伴い、2016-17シーズンのチーム年俸総額上限であるサラリーキャップの金額が、現在の約6700万ドル(約83億円)から約8900万ドル(約110億円)に増加する見込みだが、33歳のウェイドは、1年後を待つよりも、今オフに新たな契約を結びたいようだ。

ウェイドは生涯ヒートで過ごすことを希望しているものの、契約交渉が上手く進まなければ、FAを選択する可能性もある。昨年のオフには、レブロン・ジェイムズを引き留めるため、ウェイドは大幅な減額を受け入れた。最終的にジェイムズはクリーブランド・キャバリアーズ復帰を決断したが、ヒートはその後、クリス・ボッシュのヒューストン・ロケッツ移籍を阻止するため、5年総額1億1800万ドル(約146億円)という大型契約でボッシュ流出を食い止めた。ヒートはさらに、ルオル・デンとの契約も締結したため、ウェイドは残された予算の中で新たに2年契約を結んだ。

ウェイドは、今季中にフェニックス・サンズとのトレードで獲得したゴーラン・ドラギッチとの相性の良さを実感しているようで、来季もともにプレーすることを望んでいる。しかし、今オフFAとなるドラギッチは、マックス契約を提示するチームとの契約を優先する可能性が高く、ヒートがドラギッチに大型契約をオファーした場合、ウェイドへの条件を見直す必要が出てくる。

ウェイドは今季チーム最高の1試合平均21.5得点を記録したが、怪我と体調不良により20試合を欠場したため、健康面の印象は良くない。チームからすれば、33歳という年齢も考慮対象になり、仮に36歳で満了する3年契約を今夏結ぶとなると、リスクが伴うことになる。

今後ウェイドとヒートは交渉を続ける予定で、彼がプレーヤーオプションを行使するかは、6月末までに決めれば良い。しかしその一方で、再建を目指すヒートとしては、“功労者”との駆け引きを気にせずに、別の大物FA選手の獲得を検討したいのも、また事実のはずだ。

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