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ドワイト・ハワードの成功を妨げる最大の障害はドワイト・ハワード

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11月18日(日本時間19日)のシャーロット・ホーネッツ戦で、アトランタ・ホークスのドワイト・ハワードがコディ・ゼラーとの肉弾戦にいら立っていったのは明白だった。何度も審判団に目を向け、吹かれることのない笛を待つ。そして怒りの頂点に達した第4クォーター残り5分38秒、ハワードはゼラーの顔にひじ打ちを見舞った。

ハワードはフレイグラントファウル2で退場となり、ゼラーにはフリースローを2本決められた。ハワード退場まで3点差でリードしていたホークスだが、その後は連続9得点を許すなどして96-100と敗れている。

ポール・ミルサップは「ああいうプレイは流れを変える」と述べた。ホーネッツのケンバ・ウォーカーも「あそこが試合を大きく変えたね。コディが大事なFTを2本決めて、僕らはそこから流れをつかむことができたんだ」と振り返っている。

試合後、ハワードは「彼の顔を叩こうとしたわけじゃない。でも、僕の仕事は全力で自分の家を守ることだ」と述べ、「それについて謝罪はしない」と強調した。確かに、ペイントを守るのが彼の仕事であり、10年以上にわたってハワードはその仕事をうまくこなしてきた。問題は、コートにいなければその仕事はできないということだ。

シーズン序盤戦でハワードは平均14.4得点、12.9リバウンド、1.7ブロックを記録し、守備レーティングではマイアミ・ヒートのハッサン・ホワイトサイドに続く2位と好調だ。ホークスは5フィート(約1.5メートル)以内の相手のフィールドゴール成功率を53.4%に抑えるなど、リング付近での守備でリーグ3位の数字を残している。

カイル・コーバーはハワードについて、「彼は僕らにとってセーフティーネットのようなものだ」としつつ、このように続けた。

「ドワイトにはコートでああいうプレイをしてほしいけど、僕らはチームの多くの選手たちを信頼している。彼がいないから僕らは崩れたとは言われたくない」。

ハワードがいなくなってホークスが崩れたわけではない。だが、終盤の大事なプレイで彼が大きなインパクトを与えたのも確かだ。

ハワードがベンチにいても、ホークスは戦える。だが、同等ないし格上との対戦で頻繁に勝てるわけではないだろう。ホークスをイースタン・カンファレンスの上位に導き、ホーネッツとサウスイースト・ディビジョン首位を競えるように違いをつくれるのは、ハワードなのだ。だが彼は、チームに不利益をもたらしかねないことも思い出させてしまった。

ハワードはあまりに才能があり、あまりにチームにとって貴重で、引退するには精神的にも肉体的にも若すぎる(12月で31歳)。テクニカルファウル11回、フレイグラントファウル4回、退場2回を記録した昨季に続き、今季も彼はすでにテクニカルファウル3回、フレイグラントファウル1回、退場1回を記録している。ハワードは、自分で自分を傷つけているだけだ。

レブロン・ジェームズは、レイアップの際にどれだけ強く叩かれても、一切反撃できないと分かっている。ラッセル・ウェストブルックは、ファンから侮辱されても、リーグのオフィスから呼び出されたくなければ何もできないと分かっている。これらの教訓は、ハワードの頭に残っていない。昨季はヒューストン・ロケッツで落胆のシーズンに終わったが、今季序盤戦で再生していることを考えれば、残念なことだ。

ハワードは「もう何もできないけど、次の試合に向けて準備する」と試合後に述べた。彼は、何かできるはずだ。自分の仕事をし、自分で自分を邪魔することを止められるはずだ。

原文: Dwight Howard's biggest roadblock to success is still himself by Sporting News(抄訳)​


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