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[D・リラード独占インタビュー]NBAプレーヤーになるために最も必要なことは「自信を持つこと」

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6月19日の昼過ぎ、アディダスジャパン本社にて、来日したダミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)のインタビューセッションが行なわれた。

前日の深夜12時頃に羽田空港に到着し、この日の午前にもワークアウトをしたというリラード。いくら強靭な肉体を持つNBA選手といえども時差ボケや疲れはあったはずだが、リラードはそんな様子を一切見せず、集まったテレビ、雑誌、ウェブ媒体からの合計で2時間近くにも及ぶ個別インタビューに丁寧に答えてくれた。


 

NBAプレーヤーになるために最も必要なことは「自信を持つこと」


――来日以前に、日本という国について知っていたことはありますか?

あまり多くのことは知らなかったけれど、映画『The Fast and the Furious: Tokyo Drift』(邦題:ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT)で車が街中をドリフトしているのを観たよ。

――この後あなたが行くイベント会場がある渋谷は、あの映画の舞台にもなったんですよ。

本当に? それはクールだね!

――実際に日本に来てみて、どんな印象を持ちましたか?

とても清潔で素晴らしいところだね。昨晩ホテルの部屋に到着してトイレに入ったら自動で便座のフタが開いてビックリしたよ! 思わず「オウッ!」って言っちゃったよ。すごくハイテクだね。それに、いい人ばかりだ。これから数日の滞在が楽しみだよ。

――あなたの出身地(オークランド)を本拠地とするウォリアーズの優勝で2014-15シーズンが終わりました。ファイナルは観戦していましたか? どんな感想を持ちましたか?

ファイナルは観戦していたよ。生まれ育った街のチームが優勝したことはとても感慨深いね。今はもちろん自分のチーム(ブレイザーズ)のファンだけど、小さい頃はずっと熱烈なウォリアーズファンだったからね(笑)。

僕が応援していたアントワン・ジェイミソン、クリス・ミルズ、エリック・ダンピアーらがいた当時からのウォリアーズファンが今どれだけいるかは解らないけれど、地元チームが優勝したことはオークランドにとってとても良かったと思う。

――ブレイザーズがあの舞台に立ち、優勝トロフィーを勝ち取る姿を想像したことはありますか? 優勝するために必要なことは何だと思いますか?

もし優勝できたとしたら、それはとても幸せなことだ。ウォリアーズは優勝するために努力を積み重ねてきたから、彼らが成し遂げたことを自分に重ねあわせるとモチベーションが上がるよ。

僕たちが優勝するためには、チーム全員がもっと上手くならないといけないし、チームとしてもっと調和しないといけない。そして、チャンピオンになるために常に正しい方向に進んでいく習性を身に付けないといけない。「良い練習をしよう」、「良いプレーをしよう」といったことをいつも心がけないといけない。

――NBA3シーズン目を終えて、一度も休まず全試合先発出場を続けています。怪我をしないために何か特別なことをしているのですか?

長いシーズンを戦い抜くための体作りをしているよ。でも、怪我はいつ起こってもおかしくない。どんなにトレーニングしたとしてもね。だから、僕は今まで怪我がなくてとても幸運だと思っているよ。怪我をしないために特別なことをしてはいないけれど、試合に臨むときはいつも準備万端でいることをルーキーシーズンから変わらず続けている。それが怪我に見舞われる可能性を低めていると思う。

――リラード選手といえばやはりクラッチショットのイメージが強いのですが、打つのを恐れたり、自信を失ったりすることはないのですか? 

1試合を通してシュートをすべて決めるのは難しい。特に僕はタフなショットを打つことも多いけれど、それでも打つのを恐れることはないよ。NBAではディフェンダーもトップレベルだから、1本シュートを決めても次の5本を連続で止められることもあるけれど、僕は常に高いレベルで自信を持つようにしている。シュートを落としても、そのことはすぐに忘れて次のシュートを自信を持って打つ。その積み重ねがビッグショットに繋がるんだ。


ライバルは「強いて挙げるならカイリー・アービング」


――あなたは最近では珍しく大学に4年通った後、NBA入りしました。なぜアーリーエントリーしなかったのですか?

そのほうが賢い選択だと思ったからだ。自分は、アーリーエントリーした他の選手とは違うキャリアを送るべきだと考えたんだ。1年でNBAに行くべきと判断する選手もいるし、4年行ったほうがいいと考える選手もいる。たとえば、アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)は1年だけで十分NBAに行けるレベルになった。でも、あくまでも僕は僕だから、4年かけてNBAにしっかりと適応できる選手に成長しようと思ったんだ。

――プロ入りして3シーズンたった今年、あなたは晴れて大学の学位を取得しました。大学を卒業したことは、あなたにとってどんな意味があったのでしょうか?

学位を取得することは僕にとってとても大事なことだった。大勢の中の1人として自分がいることを認識させてくれた。大学のコーチや先生は、僕がバスケットボールをプレーすること、NBAを目指すこと、そしてNBAでプレーすることに理解を示し、最優先してくれた。そういった経験のすべてが貴重な経験になった。

――ステファン・カリー、ジェイムズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルック、デリック・ローズ、ジョン・ウォールなど、リーグには若く有能なポイントガードが大勢います。彼らに対してライバル意識はありますか? 1on1で勝負してみたい選手はいますか?

特にライバル意識はないね。彼らはみんな良い選手だから。強いて挙げるならカイリー・アービング(クリーブランド・キャバリアーズ)かな。彼とは何度も対戦してきたし、年齢も近いから、今後もたくさんバトルすると思う。1on1で勝負したい選手は……誰とでも勝負するよ!

――昨年のワールドカップでアメリカ代表候補に入りながら、最終的に代表チームに残ることができませんでした。代表チームへのあこがれや、入りたいという気持ちはある?

以前は代表入りを熱望していたけれど、今はもうそういう気持ちはないよ。たしかに多くの選手と競い合ったし、良い経験にはなったけどね。

――NBAプレーヤーになるために最も必要なことは何ですか? 才能? 技術? 精神力? 日本の若いプレーヤーのために、何かアドバイスをいただけますか?

自信を持つことだ。自信を持ち続けられるように、まじめに練習やトレーニングを積み重ねることが大事だよ!

インタビュー&写真:西尾瑞穂(@jashin_mizuho)/木村英里(@kimuraeri)/及川卓磨(NBA.com/Japan@oitaku,)、協力:アディダスジャパン(@adidasBSK_jp


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