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[杉浦大介コラム第81回]3x3ディベート: クリーブランド・キャバリアーズの“今”を3人の識者が分析(3)

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レブロン・ジェームズ クリーブランド・キャバリアーズ

主力選手の体調が最大の鍵

デイブ・マクナミン: 主力選手の体調が最大の鍵になる。シーズン中のようにプレイオフでもスターターが定まらないようであれば、リズムを掴むのは難しく、トロント・ラプターズ、フィラデルフィア・76ersといったチームには苦戦するだろう。一方、チーム全体が健康を取り戻した場合、今季もファイナルに進んでくるに違いない。

プレイオフでの6週間にわたって優れたバスケットボールを展開し、コンディションも良ければ、ファイナルで勝つのが不可能だとも言い切れない。ウェスタン・カンファレンスのウォリアーズ、ヒューストン・ロケッツにも不確定要素はある。ウォリアーズはファイナルまで辿り着けないかもしれないし、ロケッツはクリス・ポールがまた故障しないとも限らない。2015年にはカイリー・アービングとケビン・ラブを故障で欠いていたにもかかわらず、キャブズはウォリアーズ相手に第6戦まで粘ったことを忘れるべきではない。レブロンが好調な限り、どんなことでも起こり得る。

ファイナル進出までが限界

ハワード・ベック: 昨夏にカイリー・アービングをほとんど見返りなしに放出した後では、今季のキャブズの戦力は過去3年とは比較にならない。爆発力、多才さに欠けるチームになってしまった。

それでもここ数年とほとんど変わらない勝率を残したことで底力を示したとは言える。イースタンには飛び抜けたチームが存在しないこともあり、キャブズのファイナル進出は十分可能だろう。ラプターズは好調だが、過去にプレイオフでキャブズに勝てなかったチームと比べてどれだけ向上したかは微妙なところ。ボストン・セルティックスはアービングとゴードン・ヘイワードが健康なら面白かったが、故障者続出が痛かった。

また、76ersはベン・シモンズ、ジョエル・エンビードという魅力的なワンツーパンチを持っているが、まだ経験不足。バックスはヤニス・アデトクンボというリーグのトップ5に入る選手を擁してはいるものの、サポートに乏しい。素晴らしいバックコートを持つワシントン・ウィザーズも、今季は期待外れに終わっている。

そう考えていくと、今季のキャブズは魅力的なチームとは言えないながらも、ほとんど消去法のような形で依然としてイーストのトップではないか。ただ、キャブズはファイナル進出までが限界だろう。ウォリアーズ、ロケッツに太刀打ちできるとは思えず、優勝のチャンスはないとみる。

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ウェスタンを制するチームに対抗する力は備えていない

ジェフ・レンチナー: これまでと同様、キャブズの目標はファイナル進出以外にない。ラッキーだったのは、セルティックスが故障者に悩まされてきたこと。ヘイワードとアービングが不在なら、セルティックスはキャブズに脅威を感じさせるチームではない。ラプターズもチーム力を向上させてきたが、7戦シリーズでレブロン率いるキャブズを打ち負かせるとは思わない。

ただし、キャブズが勝ち進めるとしてもファイナル進出まで。ウェスタンを制するチームに対抗する力は備えていない。

>>> (3)レブロン・ジェームズは今季終了後にクリーブランド・キャバリアーズに残留するのか、移籍するのか?

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文:杉浦大介  Twitter: @daisukesugiura

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著者
杉浦大介 Daisuke Sugiura Photo

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。