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『コンプレックスコン2017』に出演したコービー・ブライアント「偉大になるためには頑固さが必要」(UpscaleHype Japan)

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『コンプレックス』主催のポップカルチャーイベント

去る11月4~5日(日本時間5~6日)にカリフォルニア州ロサンゼルスのロングビーチ・コンベンション・センターにて、アメリカのオンラインメディア『コンプレックス』主催による音楽、アート、ファッション、スポーツを軸としたポップカルチャーの祭典『ComplexCon 2017』(コンプレックスコン2017)が開催された。

今年で2回目となる本イベントの日中のメインは、ナイキやアディダスをはじめとする多くのブランドがブースを構える物販スペース、巨大なクラブ空間でのDJやラッパーによるパフォーマンス、各界の著名人を招いたパネルディスッカションが同時進行され、夜間には隣接するアリーナでコンサートが開催された。

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イベントのホスト役には、ミュージシャンのファレル・ウィリアムス、現代アーティストの村上隆、NBAプレイヤーのファンも多いブランド『オフホワイト』のデザイナーのヴァージル・アブロー、フランスの老舗セレクトショップ『コレット』のクリエイティブディレクター、サラ・アンデルマン、コロンビア出身のレゲエ・アーティスト、J・バルヴィン、ウィル・スミスの息子であり俳優のジェイデン・スミスら、アメリカ国内外から音楽・ファッション・アート界に精通する重要人物が招かれた。

村上氏のほかにも、日本からは、ストリートカルチャーの重鎮として世界的にリスペクトされる藤原ヒロシ、『アンブッシュ』のデザイナー、YOONがオフィシャルゲストとして各イベントに参加した。

公式・非公式を問わず、著名人が数多く来場した本イベントには、NIGO、ローラ、NAOTO(三代目 J Soul Brothers)、元ワシントン・ウィザーズのギルバート・アリーナスらの姿も見えた。

ロンゾ・ボールがパネリストとして登場

地元ロサンゼルス・レイカーズのロンゾ・ボールはパネリストとして「シュー・オブ・ザ・イヤー」(年間最優秀シューズ)のディスカッションに参加。今年の注目スニーカー・ベスト10について、他のゲストと共に率直な見解を述べた。

ロンゾといえば、今年のスニーカー業界を沸かせた一人だ。自身のシグネチャーシューズ『ZO2』は日本円で5万円を超える価格や、父であり『ビッグ・ボーラ―・ブランド』のCEOであるラバー・ボールの発言がたびたび物議を呼んでいる。スニーカーコレクターとしても有名なDJ クラークケントとラッパーのワーレイは、「もし自分が19歳のバスケットボール選手だったら、ZO2を履いてみたいが、シューズ自体は今年のトップ10どころか30、40、50位にすらランクインしない」とコメント。ただし、「最も重要なことは、彼ら自身が立ち上げたブランドであること。シューズそのものを好きになれなくても、行動自体に敬意を払うべき」と付け加えている。

ComplexCon 2017
自身のシグネチャーシューズについて語るロンゾ・ボール Photo by Julian The Don via UpscaleHype Japan

ビック・ボーラ―・ブランドはZO2の製作にあたり、『ブランド・ブラック』のサポートを受けているが、デザイン面で同ブランドのシューズをそのまま拝借している箇所があると指摘されている点について、発売までの短いタイムテーブルとの兼ね合いにより、そうならざるを得なかった旨をロンゾ自身が説明した。

今シーズンからNBAのオフィシャル・オンコートアパレル・プロバイダーとなったナイキのブースでは、今年で30周年を迎える『エア・フォース1』を中心としたイベントが行なわれた。

歴代の限定モデルの展示や、自分だけのエア・フォース1が作れるカスタム場に加え、本イベントでしか入手できないエクスクルーシブなモデルを求めて、前日から長蛇の列ができた。

コービー「偉大になるためには頑固さが必要」

イベント2日目には、当初発表されていなかったサプライズゲストとして元レイカーズのコービー・ブライアントと、先日ナイキとの契約を発表したラッパーのケンドリック・ラマーが登場。引退後も絶大な人気を誇るコービーと、今最も旬なアーティストであるケンドリックを一目見ようと、ブースを囲むように遥か遠くまで人だかりができた。

ComplexCon 2017
ケンドリック・ラマーとの対談中、自身のキャリアを振り返ったコービー Photo by Jennifer Johnson via UpScaleHype Japan

両者の対談中、偉大になるために必要なものを問われたコービーは、「偉大になるためには頑固さが必要」と語った。

「多くの人は偉大になるための道のりは一本道にように簡単に考えていて、努力すれば、ある日突然到達できると思っているが、決してそのようにはならない。そこまでにはたくさんの闇があり、乗り越えなければいけない経験がたくさんある。ほかの人たちにとっては、それらはただの障害で、前に進む妨げになるかもしれないが、僕らはそれを燃料にして自分自身を前に進ませる。不安、恐怖、怒りは愛と同じように重要な役割を果たすんだ」。

また、現役引退後も引き続き製作されるコービー・ラインについては、「自分のシグネチャーシューズを並べて見たときに、一足一足が自分の人生のスナップ写真になっているんだ。デザインが自分の内面から出て、初めて本当のシグネチャーになる。だってそれは自分だけのストーリーだからね」と語っている。

さらにコービーは、引退後の生活についても意欲を燃やし続けているという。

「今から20年早送りしたとして、自分の人生で成し遂げた一番のことがバスケットボールであったとしたら、それは失敗を意味する。とてもシンプルなミッションで、とてもシンプルな冒険で、とてもシンプルなゴール。次の20年をこれまでの20年よりも良くする、それがモチベーションになるんだ」。

文:Yvki Abe(UpscaleHype.JP) Twitter: @yvkiabe, Instagram: @yvkiabe
写真:Aria G Photography (Header) 

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ