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[コラム]今シーズン流行間違いなし!? NBA最旬トレンドヘア (UpscaleHype Japan)

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時代を問わずヘアスタイルはNBAプレイヤーの個性を主張する重要な要素である。

ドクターJことジュリアス・アービングのアフロヘアや、マイケル・ジョーダンのスキンヘッド、デニス・ロッドマンの七色ヘアを筆頭に、時代時代を物語るアイコニックなスタイルは数あれど、NBA70年の歴史において、最もセンセーショナルだったのは、ヒップホップ・カルチャーをリーグに持ち込んだアレン・アイバーソンといっても過言ではないだろう。

クロスオーバードリブルと並び、アイバーソンの代名詞であった『コーンロウ』は、当時の若手~中堅プレイヤー、ラトレル・スプリーウェルやラシード・ウォーレス、リチャード・ハミルトン、ジャーメイン・オニール、ショーン・マリオンのみならず、スコッティ・ピッペンやサム・パーキンズといったベテラン勢にまで浸透した。


歴史に残る名勝負となった2001年のオールスターゲーム。MVPを獲得したアイバーソンの活躍により、イーストが勝利を収めた

2008年のデトロイト・ピストンズへのトレードを境に、アイバーソンのキャリアは下降線を辿り、それに伴うようにコーンロウもやがて少数派となる。ナゲッツ(2006~08年)での元チームメイト、カーメロ・アンソニー(現ニューヨーク・ニックス)をはじめとする次代を担う選手たちも続々と髪を切り、以後は、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)らに代表される、全体を短く刈り込んだバズカット(いわゆる、坊主頭)にヘッドバンドが定番となっていた。しかし、2010年代に入ると細分化が進み、バラエティに富んだスタイルが顕著となる。

中でも、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)、ジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ)、ニック・ヤング(ロサンゼルス・レイカーズ)のように、頭頂部を長めに残し、サイドを刈り上げたフェイド系が直近のトレンドといえる。

フラットトップ/ハイトップ・フェイドと呼ばれる髪型(キャブズのイマン・シャンパートやニューオーリンズ・ペリカンズのノリス・コールが典型的)は、80~90年代に広く流行したヘアスタイルだが、2000年代後半から徐々に人気を取り戻し、現在に至る。

また、アンソニー・デイビス(ペリカンズ)、ディアンドレ・ジョーダン(ロサンゼルス・クリッパーズ)、アンドリュー・ウィギンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)らに見られるアフロとフェイド系をミックスしたスタイルもすでにお馴染みであろう。もはや個々のカテゴライズが難しいぐらい多様化してきているのが、現在のNBAヘアスタイル事情なのである。


80~90年代に流行したフラットトップ(ハイトップ・フェイド)と呼ばれるヘアスタイルで強烈なインパクトを放つイマン・シャンパート(キャブズ)

当コラムでは、ヒップホップ・アーティストとバスケットボール選手の関係性をたびたび扱ってきたが、今回も同様の視点から次に流行するヘアスタイルを考察する。

日本でも人気があるエイサップ・ロッキーやケンドリック・ラマ―、プッシャ・T、トラヴィス・スコット、ウィズ・カリファなど、現在のヒップホップ・シーンを牽引するアーティストの間では、アイバーソン世代を彷彿させるコーンロウやブレイド(編み込み)、ショートドレッドが人気となっている。


2015年のオールスター時に開催されたGQ誌とレブロン・ジェームズ主催のパーティーに出席するエイサップ・ロッキー

いち早くこの波に乗ったデリック・ウィリアムズ(ニックス)が、ラッパー顔負けのショートドレッドを決めている一方、独自の路線を歩むエルフリッド・ペイトン(オーランド・マジック)は、何とも形容し難い斬新なドレッドをトレードマークとし、NBA選手御用達ブランド『ジョン エリオット』からも注目されている。

今シーズン、チームも個人成績も好調なカワイ・レナードは、現在のところ数少ないコーンロウ選手であるが、サンアントニオ・スパーズの王座奪還と共に、第ニのアイバーソンに化けることができるのか、違った角度からも注目したい。


ニックスのデリック・ウィリアムズは、ショートドレッドの毛先をブロンドに染める手の込みよう


レナードの活躍がコーンロウ人気が再燃させるか?

文:Yukee Abbé( UpscaleHype.JPTwitter: @YukeeAbbe Instagram: @YukeeAbbe

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ