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ブレイザーズ、躍進するC.J.・マッカラム

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コービー「彼は成長し続ける」

ポートランド・トレイルブレイザーズが108-96と勝利した11月28日(日本時間29日)のロサンゼルス・レイカーズ戦で、C.J.・マッカラムはフィールドゴール20本中12本成功の28得点を記録した。試合後、レイカーズのレジェンドで、NBA通算得点歴代3位のコービー・ブライアントは、「彼は成長し続けるだろう」とマッカラムを称賛した。

「彼はとてつもない速さで成長している。今季はブレイクするシーズンになるんじゃないかな」。

ケガもあって一貫性がなかった3年目の選手にとって、悪くない言葉だ。今季のブレイザーズは多くの変化があり、その大半が良くないものだったが、マッカラムの成長はポジティブな変化である。ここまで1試合平均20.4得点。チームのすべての試合で15得点以上を記録しているのは、ステフィン・カリー、ジェームズ・ハーデン、ポール・ジョージとともにリーグで4人だけだ。

最下位予想が多かった今季のブレイザーズは、7勝10敗とまずまずのスタートを切ったが、マッカラムもそこに貢献している。

何より、マッカラムはプレイできている。昨季の彼はそれができなかった。ただ、マッカラム本人はSporting Newsに対し、「僕は過去を振り返らない。去年で終わりだ」と強調する。

「ベンチスタートだったり、一貫したプレイ時間がなかったことは覚えている。でも、それを過去とし、毎日のモチベーションにしなければいけない。ポジションが保証されていると思ってはいけない」。

ニコラ・バトゥームは、初めてブレイザーズの練習でマッカラムをマークしたときのことを覚えている。現在シャーロット・ホーネッツでプレイするバトゥームは、「学校を出たばかりのこの細い子なら、NBAでやっているように止められると思っていた」と振り返った。

「そして彼は僕とぶつかり……僕がステップバックしなければいけなかったんだ」。

デイミアン・リラードは、「初日から、誰もが彼に得点の才能があると分かった」と語る。

「彼はどうやって決めるかを知っているんだ。今は、このチームの外にいる人も、みんなそれを目にするようになっているんだよ」。

だが、それには時間がかかった。2013-14シーズンのマッカラムは足の再骨折でベンチが定位置となり、テリー・ストッツ・ヘッドコーチは主にリラード、ウェスリー・マシューズ、バトゥーム、ラマーカス・オルドリッジ、ロビン・ロペスを先発とした。次のシーズンでマッカラムは復帰し、シックスマンとなる準備ができたかに思われたが、開幕1か月前に指を骨折したことで、それも狂ってしまう。

マッカラムが復帰に苦しんだことで、ブレイザーズはアーロン・アフラロをトレードで獲得しなければならなかった。メンフィス・グリズリーズに敗れたプレイオフでも、マッカラムは最初の2試合でフィールドゴール21本中4本に終わる。だが、その後の3試合では46本中28本成功。第5戦では33得点をマークした。

クリス・ケイマンは「あれで彼はさらに仕事を続けようと貪欲になったかもしれない」と語る。

「プレイオフでチャンスを手にし、本当に良いプレイで自分にできることを示した。ノっているときの彼は、本当に、本当に素晴らしい」。

「チャンスを生かすだけだった」

今季開幕前にバトゥームや控えポイントガードのスティーブ・ブレイクはトレードされ、オルドリッジ、マシューズ、アフラロ、ロペスはフリーエージェントとなった退団した。マッカラムは「ロスターが変わったから、もちろんチャンスは増えると分かっていた」と意識していたようだ。

「それを生かして、立ち向かうだけだった。どういう使われ方をするかは、かなりよく分かっていたよ。だから、チャンスを生かすだけだったんだ」。

現在、マッカラムはスターターとなり、リラードが休む10分間はポイントガードも務めている。1試合平均20.4得点、3.1アシスト、3ポイントシュート成功率39.1%という数字だ。

今の彼は、次のショットのチャンスがあると分かっている。流れが良くなければベンチに座っていた昨季はなかったぜいたくだ。

ストッツHCは「彼が自信を失ったことはないと思う。でも、先発でプレイをし、ミスをしてもプレイできると分かっていれば、選手はとても自由になれるんだ」と話す。

「私は自信がとても重要だと信じている。自信があればあるほど、選手たちはより良いプレイをするものだ」。

マッカラムも自信を身につけている。リラードは「彼が自信に関する問題を抱えたことはないと思うよ」と語っている。

「NBAに来てから、彼は本当にずっと自信を持っていた。彼のような選手なら、一つ決まれば、次の4つが決まってもおかしくないんだ」。

リラードとマッカラムはコート内外を問わずに親密であり、対戦相手の守備にとっては頭痛の種となる。マッカラムも「僕らをカバーするのは大変だろうね」と誇った。

「僕らはそれぞれ深い位置から得点し、レーンに向かい、攻撃を操作し、仲間にアシストする力があるんだ」。

リラードとマッカラムは、開幕18連勝のゴールデンステイト・ウォリアーズに続き、NBAのバックコートで2番目に得点を上げているバックコートだ。リラードがコートにいれば、マッカラムがボールを運ぶことは少ない。だが、必要なときはいつでも攻撃をリセットできる。Nylon Calculusによれば、リラードがコートにいないとき、マッカラムはプレイ時間の28.6%でポイントガードをこなしている。

だが、マシューズが守備も優れていたのに対し、ESPNのディフェンス指標によると、マッカラムが出場している際のブレイザーズの守備は決して良い数字ではない。ケイマンは「彼が改善すべきは、ショットで苦しんでいるときに、ハードにプッシュし続け、守備でプレイすることだ」と指摘する。

だが、ストッツHCは「彼らが一緒にプレイしていると、我々にはコートに2人のプレイメーカーがいることになるんだ」と、マッカラムとリラードを一緒にプレイさせることを望んでいるという。

「常にボールを動かさなければいけないというデイミアンの責任を大きく軽減してくれる。我々にはずっとデイミアンと一緒にプレイできるポイントガードがいた。だが、普段はベンチだったんだ」。

マッカラムはPGなのか、SGなのか?

マッカラムは、彼が先発でプレイすることを必要とする若いチームのナンバー2スコアラーだ。ブレイザーズに両翼の選択肢は多くない。ジェラルド・ヘンダーソンは優れたベテランだが、毎試合20得点をあげる選手に成長することはないだろう。

だからこそ、マッカラムなのだ。そして彼は対戦相手からも、コービーからでさえも、注目されている。守るのが大変な選手だからだ。だが、彼はシューティングガードなのだろうか、それともポイントガードなのだろうか?

マッカラム自身は「自分はただバスケットボール選手だと思っている。ドリブルしていても、していなくても、ボールを持っていなくても、多くのことをやれる男だとね」と述べた。

「ポジションにはこだわらない。どういうプレイをすべきか、どれが正しいプレイかを分かっていれば、成功できると思う」。

そして、彼は成功してきた。これこそ、2013年に全体9位でドラフト指名したときにブレイザーズが期待した選手だ。

バトゥームは「僕は彼のことを驚かないよ。多くの人が驚いているだろうけど、僕は驚いていない。彼も驚いていない。ポートランドの人たちもね」と述べている。

「僕はみんなに言っていたんだ。C.J.は今年、1試合平均18得点をあげるようになるってね。彼の平均は20得点だ」。

原文: C.J. McCollum is breaking out and turning heads — even Kobe Bryant's by Sporting News (抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ