カイリー・アービングをトレードするのは、言うほど簡単ではない。フランチャイズにとって最も重要なショットを決めた選手であるアービングはトレードを要求し、キャブズを窮地に立たせている。キャブズにとって有利なトレードを成立させることの難しさについて、『Yahoo』のクリス・マニックス記者が伝えている。
カイリー・アービングは、レブロン・ジェームズの新たな『決断』を待たずして、キャブズを窮地に追いやろうとしている。キャブズとあと2年の契約を残している25歳のアービングは、オールNBAチーム級の才能の持ち主で、球団が慰留を強く望むタイプの選手であっても、放出したいと思うような選手ではない。
少なくとも今後、キャブズには各チームからトレードのオファーが殺到するだろう。それでも、NBAでナンバー2とされるチーム力を維持できるだけの交換要員を提示できるパートナー探しは難航するに違いない。
あるウェスタン・カンファレンスのチーム関係者は、『The Vertical』に対し「アービングを獲得するには、かなりの見返りが要求される」と語った。
「今回の件でキャブズも大変なことが多い。ひょっとすると成立は(今夏契約した選手がトレード可能になる)12月15日(日本時間16日)まで待たなくてはいけなくなるかもしれない。今後数か月は扱いづらい期間になる可能性もある」。
伝えられている情報によれば、アービングはキャブズに希望する移籍先の候補として、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ニューヨーク・ニックス、マイアミ・ヒート、サンアントニオ・スパーズをあげたと言われている。しかし、それはキャブズにとって何の意味も成さない。アービングはトレード拒否権を持っておらず、あと2年間、キャブズの契約下にあるからだ。
アービングはヒートを希望移籍先の1つにあげたようだが、サンズはレブロン・ジェームズと同じリッチ・ポールが代理人を務めるエリック・ブレッドソー、ブランドン・ナイト、その他の有用な選手を多く擁しており、キャブズが納得するオファーを提示できるかもしれない。
また、アービングはグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチの下でプレイすることを求めているのかもしれないが、ひょっとすると新人ディアロン・フォックスと実績のあるベテランを多く抱えるサクラメント・キングスとのトレードのほうが、双方にとって良い取引になるかもしれない。
今となっては、キャブズがアービングの希望を叶えようと誠意を見せれば、ばかを見ることになるだろう。
原文:The challenge of trading Irving by NBA.com