ニューヨーク・ニックスのカーメロ・アンソニー周辺では、連日トレードの噂が絶えない。日々トレード先のチームが異なるリポートばかりだが、いずれにも共通しているのは、同選手の将来はニックスにはないということ。
32歳のアンソニーは、1月28日(日本時間29日)、メディアに対し「精神的に消耗している」と語った。
「記事を読まないようにしているけれど、それでも対応しないといけない。どこにいっても耳にするし、誰かが自分に教えてくれるんだ。何か言われるんだよ。精神的に消耗するし、疲れるよ」。
アンソニーは、チームに在籍した15年間を通じて、こうした噂の類に対応し続けたニックスレジェンドのパトリック・ユーイングを称賛している。
「この競技を学ぶ一人として、選手それぞれが異なる状況を経験している姿を見てきた。バスケットボールの歴史、チームの歴史、選手の歴史を振り返ってみると、彼(ユーイング)は自分が今経験していることに近い状況に上手く対応した一人だと思う」。
またアンソニーは、「全ての雑音に耳を塞いで高いレベルのパフォーマンスを披露しないといけない。彼なら、自分が経験していることを理解してくれると思う」と、続けた。
現時点でアンソニーがニックスに残るかはわからない。先日ニックス球団社長のフィル・ジャクソンと話し合いの場を設けたアンソニーは、残留の希望を伝えたとメディアに明かしている。今のところクリーブランド・キャバリアーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ボストン・セルティックスが移籍先の候補にあがっているが、アンソニーの契約にはトレード拒否条項が含まれている。
アンソニーは今月はじめ、もしチームが自身を放出する考えなら、拒否条項を破棄することも検討すると語った。
1月26日(同27日)にはオールスターリザーブチームから漏れ、27日(同28日)にマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれたシャーロット・ホーネッツ戦(110-107でニックス勝利)ではファンからブーイングを浴びせられるなど、アンソニーにとっては辛い日々が続いている。同選手を取り巻く全ての状況が過熱しているのは、辛辣なニューヨークのメディアのスポットライトに晒されているからにほかならない。
アンソニーは、「日々いろいろと変わる状況に対応しないといけない。毎日、一日を通してずっとね」と、言う。
「楽あれば苦ありだよ。自分でもどう対応すればいいかわからないけれど、それでも何とかやっている」。
原文:Carmelo Anthony says he understands what Patrick Ewing faced with trade rumors by Arthur Weinstein/Sporting News