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ブルズがいつもの“安全な”ドラフト戦略を変更する可能性

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シカゴ・ブルズは一流大学で数年間経験を積んだ選手を指名するというドラフト戦略を長年とってきている。しかし、他のチームが、リスクを負ってでも若さと身体能力を重視した、大学で1年だけプレイしてNBA入りする選手を好む傾向にある今、ブルズはいつもの戦略から離れるべきではと『シカゴ・トリビューン』のKC・ジョンソン記者が提案している。

今年のドラフトが人材豊富だからか、ゴールデンステイト・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズが強すぎるためなのか、どちらにせよブルズは毎年同じようなドラフト戦略を変える必要があるかもしれない。

知っているだろう。木曜日(日本時間金曜日)のNBAドラフトでブルズが全体16位で指名するときに、残っている選手の中から一流大学で複数年プレイした選手を探して、赤い牛のロゴの野球帽をかぶせるやつだ。

もちろんこれまでに例外はある。2度オールスターに選出されたルオル・デンはデューク大学で1年しかプレイしていないが、2004年にドラフト当日にトレードで獲得した。そして残念ながら、2012年のマーキス・ティーグもケンタッキー大学で1年しかプレイしていなかった。

2003年のジョン・パクソンにとっての初めてのドラフトでは、ジェイ・ウィリアムズのバイク事故の影響でカーク・ハインリックを指名した。ハインリックはカンザス大学で4年間プレイし、この指名は当たりだった。そして昨シーズンはミシガン大学で4年間プレイしたデンゼル・バレンタインをドラフトしている。こちらはまだ当たりとも外れとも言えないが、やはりドラフトの傾向は一緒だ。

2018年にレブロン・ジェームズがフリーエージェントとしてどうするかにもよるが、ウォリアーズとキャバリアーズがトップに居続ける時代は長引きそうだ。他のチームは、正直に話すとすれば、未来のためにプレイしていると認めるだろう。それほど西でのケビン・デュラントとステフィン・カリー、東のキング・ジェームズの支配力は高い。

であれば、選手をポテンシャルで選ぶのに良いタイミングは今以上に無いのではないだろうか。

ブルズのフロントはチームに身体能力とシュート力をつけることが優先事項としており、シーズン終了後の記者会見では将来を担う選手の育成について話していた。ちなみに、フレッド・ホイバーグHCが好むペースとスペースを作るオフェンスには、身体能力とシュート力が必要不可欠だ。

「このオフシーズンは選手育成にリソースと時間をたくさんかけて、それぞれが最大限の実力を出せるように成長できる環境を作りたい。この若い選手たちをよく知ることがとても大事であることは我々も理解している。個人的に、若い選手をよく知らないままトレードしてしまうのは嫌だと思っている。彼らがどんな人間なのか、選手としての上限がどれくらいなのか、そこに到達できるのかを探る必要がある」と、パクソンは4月に語っている。

ブルズは2006年にラマーカス・オルドリッジをドラフトしてタイラス・トーマスとトレードして以来、“安全な指名”をするようになっている。さらにその後、タージ・ギブソンとジミー・バトラーを1巡目後半で指名できたことでこの傾向は強まった。しかし2月にダグ・マクダーモットをトレードし、このときは実質失敗したことを認めた。

4月に『CSN Chicago』のマーク・シャナウスキー記者がガー・フォアマンGMに直接、最近のドラフトの結果やリーグの傾向に合わせて、今年はブルズが身体能力をより重視するのか聞いた。

するとフォアマンは、「我々の方針はそのとき残っている一番良い選手を指名することだ。フィジカル、スキルレベル、選手としての上限、プレイ経験など全てを考慮している」と答えている。

「私は我々のスカウティングと熟練したスカウトスタッフたちにとても自信を持っている。ドラフトでは当たりや外れがあることは周知の事実だ。しかし今のロスターにいる若手たちには満足しているよ」。

原文:Bulls prepared to stray from usual Draft plan by NBA.com


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ