NBA

ブラッドリー・ビールが市立船橋高校でクリニックを開催、「夢を追いかけること」の大切さを説く

Author Photo
Bradley Beal in Japan Day3

5月20日、来日中ツアー最終日を迎えたブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)が、東京・浅草と千葉県船橋市を訪れた。

同日午後、侍の姿や所作を体験できる浅草のスタジオを訪問したビールは、侍ショーを観覧後、実際に侍の格好をして、刀の使い方や侍の心を学んだ。

袴を着せてもらう際に帯を強く締められると、苦しそうな表情を見せたビールだったが、刀の扱い方をインストラクターに教えてもらうと、真剣な表情でうまくできるように何度もやり直していた。


Photos by Mizuho Nishio

相手と刀を切り返す動作を教えてもらっているときには、「ステップバックをするときの足の運び方はどうやるの?」と質問するなど、正しいフォームを身につけようと、日本ならではの体験を大いに楽しんでいた。

そして、侍体験の後は過去2年連続で男子がインターハイとウィンターカップに出場した強豪校、船橋市立船橋高校のバスケットボール部の男女合同クリニックに参加した。NBAアジアのクリス・サムナー、千葉ジェッツの小野龍猛、星野拓海、原修太らとともに、特別コーチとして選手たちを指導したビールは、サムナーコーチが主導するクリニックを積極的にサポートした。途中、自ら腕立て伏せやスリーメン、ノックアウトと呼ばれる勝ち残りシュート競争などにも加わって、およそ90人に及ぶ同部の選手たちと交流を図った。


Photos by Mizuho Nishio

クリニックの最後には、「今日は僕を迎えてくれてありがとう」と同校に感謝するとともに、選手たちにNBA選手としてのメッセージを送った。

「ひとつだけみんなに伝えたいことは、夢を追いかけようということだ。実現するためには、多大な努力と規律正しさが求められる。僕がNBAに行くのが簡単なことだったと思う人はここにいるかい? (自分が簡単にNBA選手になれたわけではないのと同じように)誰にでも可能性があるんだ」。

「自分を信じること。自信を持ち、情熱を持って取り組むことが大切だ。医者になるにしても、教師になるにしても、自分の目標を誰にも邪魔させてはいけない。目標を定めて、それに向かって努力していこう。そして、ひとたび目標を達成したら、次の目標に向かって努力する。それを繰り返していこう」。

「バスケットボールの一番の“ルール”は楽しむことだ。それを忘れないようにしてもらいたい。これからも思いっきりバスケットボールを楽しんでほしい。僕にとっても今日は特別な経験になった。みんなに感謝しているし、将来、君たちが目標を達成できるように、みんなの成功を願っているよ。もしかしたら、僕と対戦することもあるかもしれない。女子の選手たちもね(笑)。みんな、目標に向かってがんばってください」。


Photo by Takuma Oikawa/NBA Japan/Perform

スピーチを終えると、ビールは最後に選手とコーチ陣全員でハドルを組み、「1、2、3、ハードワーク!!」と声を合わせて、クリニックを終えた。

終始笑顔でクリニックの様子を見ていた同校の近藤義行監督は、「NBAで活躍している選手が市船のホームコートに来てくれるだけでも、彼らのモチベーションになります」と語っている。

「今年は男女でインターハイ出場を狙っているので、その景気づけになる催しになりました。普段は厳しくやっていますが、今日みたいにあれだけ長い時間、笑顔でバスケットができて、貴重な体験になったと思います」。

クリニック終了後、ビールにこの日の感想について問うと、「正直、想像していた以上に才能があって規律正しかった」と、選手たちを指導した印象を語った。

「しっかりと僕らの話に耳を傾けてくれていたし、やるべきことを忠実にこなしていた。男子、女子ともに素晴らしい選手たちで、良い意味で驚かされた」。

さらにビールは、今回のクリニックが自らのモチベーションにもなったと語っている。

「こうして高校生たちと触れ合うことで、より自分を向上させなければいけないという気にさせられた。彼らの模範となるような選手になるために、もっと努力していきたいと思った」。

およそ80時間という日本滞在のなかで、多くの体験をし、ツアーを満喫したビールは、最後に改めて、近い将来にもう一度日本へ戻ってくることを誓った。

「いつもサポートしてくれてありがとう。2020年のオリンピックで(アメリカ代表の一員として)ここに戻ってこられるようがんばりたい。日本のファンがいてくれることを忘れずに、来シーズンも精一杯戦うことを約束するよ」。

文:及川卓磨(NBA Japan編集長/Perform) Twitter: @oitaku


[特集]ブラッドリー・ビール来日ツアー


著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ