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セルティックスが取り戻したチームアイデンティティ

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ボストン・セルティックスのアイザイア・トーマスは、今季平均28.3得点、5.9アシスト、1.1スティールの大活躍を見せている。12月の試合で7勝4敗と勝ち越しているセルティックスの復調の要因に、『ESPN』のクリス・フォースバーグ記者は、健康な状態に回復したトーマスをあげている。


11月初旬、デンバー・ナゲッツとワシントン・ウィザーズに連敗を喫した後、ボストン・セルティックスが誇るオールスターポイントガードのアイザイア・トーマスは、チームアイデンティティの欠如を嘆いた。

「今は自分たちのプレイができていない。僕がここ1年半プレイしているセルティックに戻らないといけない」。

同時期、セルティックスはアル・ホーフォードとジェイ・クロウダーをけがで欠き、同月は7試合を終えた時点で3勝4敗と苦しんだ。選手たちは、主力がプレイしていたらどういう結果になったかを考えただろう。

セルティックスは11月11日(日本時間12日)以降14勝8敗と勝ち越し、同期間中のディフェンス率はリーグ3位の100.9。どうやらレギュラーシーズン序盤に見失ったアイデンティティを取り戻せたようだ。

トーマスが股関節の負傷から復帰し、本来の先発ラインナップを起用できるようになってから、セルティックスは負けていない。セルティックスはトーマス、エイブリー・ブラッドリー、クロウダー、アミア・ジョンソン、ホーフォードのラインナップを起用した試合で今季11勝3敗と大きく勝ち越している。


今季これまで26通りのラインナップを起用しているが、セルティックスの先発はネットレーティング(100ポゼッション当たりの得失点差)でリーグ5位の+9.5をマーク。ホーフォードは脳震盪により11月の大半を欠場したが、出場すればチームメイトのプレイを生かしてくれる存在だ。クロウダーも足首の負傷で11月の後半まで欠場したものの、ようやく健康な状態に回復した。12月22日(同23日)のインディアナ・ペイサーズ戦ではセカンドユニットとして出場し、第2クォーター開始からチームが決めた連続17点に関与している。

シーズン序盤に苦しい時期を過ごしたからこそ、チームは調子が上向き始めた今も冷静さを欠いていない。

ブラッド・スティーブンス・ヘッドコーチは、ペイサーズ戦後、「(シーズン序盤については)チームで話し合った。選手たちが健康な状態に戻れば、それがチームの助けになるはずと話し合った。ただ、まだ必要な状態に達していないのは確かだ。これからさらに調子を上げていかないといけない」と語った。

まずは強豪相手にも勝てることを証明しなければならない。12月20日(同21日)には勝率5割を超えているメンフィス・グリズリーズに112-109で勝利したものの、混戦状態となっているイースタン・カンファレンス上位でプレイオフに勝ち進むには、現在のような状態を維持する必要がある。

しかし、ようやくイーストでクリーブランド・キャバリアーズの対抗馬になり得ると言われたチーム力を発揮しつつある。試合を通じてチーム全体が機能した例こそ少ないが、今季のチームにできることの一端が見られるようになり始めた。

少なくとも6週間前と比べれば、確実に前進している。その要因の一つは、選手の健康状態の回復だろう。ようやくアイデンティティを取り戻した今、今季のチームの可能性を生かす方法を見出すときだ。

原文:Celtics finding their way, identity now by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ