9月9日(日本時間10日)、アレン・アイバーソンは、バスケットボール殿堂入りを果たした。式典でのスピーチは、彼のプレイのように心の奥底から出てくる言葉で埋め尽くされ、彼のキャリアと同様に重みのあるものだった。
壇上に上がった瞬間から感傷的になっていたアイバーソンは、会場中から大歓声で迎え入れられた。自分たちの選手を見ようと、多くのフィラデルフィア・76ersファンの姿もあった。
アイバーソンは開口一番に、「Wow、皆、愛しているよ」と、語った。
そこからは涙ながらに半生で経験した戦いを振り返り、恩師ジョン・トンプソンがジョージタウン大に入学させてくれたことが人生の大きな転機になったと話し、感謝の気持ちを言葉にした。
「コーチ・トンプソンが僕を、そして僕の人生を救ってくれた」。
1993年、バージニア州のボーリング場で暴力事件が発生し、アイバーソンは逮捕された。後に有罪判決を受けたアイバーソンの勧誘を止める大学が多かった中、トンプソンはアイバーソンを受け入れる決断を下した。
アイバーソンは、キャリア最高の成功を収めた時期に76ersで指導を受けたラリー・ブラウンに対しても感謝の気持ちを伝えた。ブラウンからの“建設的な批判”と、スーパースターへと変貌を遂げるきっかけとなった指導を受け入れるようになってから何かが変わったと、アイバーソン本人も認めている。
「自分がMVPに、そしてオールスターに選出された時期でもあった。彼がどれだけ偉大な指導者かを学んだ」。
また、憧れの存在だったマイケル・ジョーダンとの初対戦についても触れ、「人生で初めて、実在する人間とは思えない存在だった」と、語った。
アイバーソンがクロスオーバーでジョーダンを抜き去った瞬間は、今でもNBA史に残る瞬間の一つだ。
その他にもアイバーソンのカルチャーアイコン化に一役買ったヒップホップスターの故Biggie、Tupacについても触れ、故マイケル・ジャクソンへの感謝も述べた。
76ers関係者、元チームメイト、メディア、ファン、コービー・ブライアント、家族への感謝を語りスピーチを終えたアイバーソンは、“MVP!”チャントと共に壇上を降りた。
原文:Allen Iverson thanks Michael Jordan, a bunch of rappers and everyone else in Hall of Fame speech by Tom Gatto/Sporting News