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[杉浦大介コラム第9回]オールスター展望(3):デュラントvsレブロンの勝負の行方は?

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20140215 LeBron Durant Header

過去5年間で4度のMVPを獲得し、“リーグ最高の選手”の称号を欲しいままにしていたマイアミ・ヒートのレブロン・ジェイムスの前に強力なチャレンジャーが現われた。今季は自己最高の平均得点、フィールドゴール成功率をマークし、現時点でMVP最有力候補と言われるケビン・デュラント(オクラホマシティ・サンダー)である。

デュラントがオールスターという大舞台でどれだけの得点力を発揮するか、帝王レブロンを相手にどんなプレーを見せるか――。それこそが、今年のオールスターゲーム最大の見どころと言って良い。

「人生を通じていつも2番手だった。高校でも全米No.2プレイヤー、ドラフトでも全体2位指名、MVP投票でも3度も2位になり、ファイナルでも敗れてしまった。もう2位になるのはたくさんだ」。

昨春にそんなコメントを残して話題も集めたデュラントは今季、“今年こそ”の決意を秘めてプレーしているように思える。過去19戦中16戦で30得点以上と好調を持続しているだけに、“夢の球宴”でも高得点を叩き出す可能性は十分にあるだろう。

これまでのオールスター史上最多得点記録は、1962年にウィルト・チェンバレンがあげた42得点。現地16日(日)に行なわれるオールスターゲームでも、序盤から快調に得点を伸ばしたとすれば、現代最高のスコアラーは後半には記録更新を狙ってくるかもしれない。

もちろんオールスターゲームでのプレー内容が、今季MVP争い、ひいては“最強プレーヤー”の議論に大きな影響を及ぼすわけではない。ただ、常に緊張感溢れるデュラントのプレーが、とかく大味になりがちなオールスターを興味深いものにしてくれるとすれば、ファンとしても歓迎すべきことのはずだ。

特にゲーム終盤まで点差が競っている場合、オールスターは試合時間残り5分前後から真剣勝負に変貌するのが通例。世界最高峰の選手たちが、毎年たった5分だけ、正真正銘の激しい攻防を繰り広げるのだ。

オールスターの終盤戦で、得点記録更新とウェスタン・カンファレンスの勝利を目指してデュラントがボールを持ち、それを阻止すべくレブロンがマッチアップを挑むような流れになれば……そのときには、まさに世界中のNBAファンを釘付けにするようなバトルが展開されることになるだろう。

文:杉浦大介
Twitter: @daisukesugiura

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杉浦大介 Daisuke Sugiura Photo

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。