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[2017-18シーズン戦力分析]ミネソタ・ティンバーウルブズ

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NBA.comのショーン・パウエル記者が2017-18シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第7回目は、ミネソタ・ティンバーウルブズ編をお届けする。

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2016-17シーズン成績:31勝51敗

新加入選手:ジミー・バトラー(トレード)、ジャマール・クロフォード(フリーエージェント)、タージ・ギブソン(フリーエージェント)、ジェフ・ティーグ(フリーエージェント)

退団選手:ザック・ラビーン、リッキー・ルビオ、クリス・ダン

トム・シボドー体制の1年目は、若いチームが一貫性をなかなか見いだせず、またどの相手もなかなか止められずに31勝51敗という結果に終わった。

だが、ケビン・ガーネットの時代を除いて敗者としての時代が長いウルブズが、今は「高級化」している。まず、ジミー・バトラーを獲得した。ベテランを加えただけではない。彼らが獲得したベテランたちは、まだプレイできる選手たちだ。

ベテランが若手に加わったウルブズにとっては、最も豪快な夏となった。忘れてはいけない。このチームは13年もプレイオフに出場していないのだ。これは現在のNBAでは最長記録だ。

バトラーは信頼性に加え、シカゴ・ブルズでシボドーの指導により磨きをかけた守備もチームにもたらす。スタービジネスという面では遅咲きのバトラーだが、攻守に優れた選手のひとりだ。相手を抑える力がある。しかも、たいてい彼が守るのは相手のトッププレイヤーだ。一方で、攻撃でも20得点以上をあげることができる。若い選手たちの手本となるだろう。特に、控えめに言っても酷かった昨季を考えれば、守備に関してはなおさらだ。

さらに、バトラーはMVPシーズンのデリック・ローズや昨季のドウェイン・ウェイドなど、スター選手たちとプレイしてきた。つまり、自分勝手ではないプレイを知っているということだ。それは(大型契約を狙う)アンドリュー・ウィギンズや(ボールタッチが好きなビッグマンの)カール・アンソニー・タウンズといった選手たちがいるロッカールームにおいて、バトラーの長所となるだろう。ウルブズにとってこれ以上の選手はいなかった。昨季、彼はブルズで若手と揉めたが、その言い分は正しかった。ブルズは酷かったからだ。

シックスマンの王様であるジャマール・クロフォードは、40歳に向かっている(現在37歳)が、素晴らしい調子を保っている。彼は手がかからないベテランであり、明るい個性を備えている。チームにしっかりとフィットするはずだ。

ほかの2選手、ジェフ・ティーグとタージ・ギブソンについても同じだ。ティーグは最も過少評価されている選手のひとりであり、ミスが少なく、深い位置からショットを打つことができ、チームメイトを見つけ出せる。ギブソンはペイント内の働きバチ。ちょうどシボドーが好むタイプであり、ウルブズがリングの近くで必要とするタイプの選手だ。

もちろん、これらの選手の獲得には代償を払っている。サラリーキャップに空きを作るために、リッキー・ルビオをユタ・ジャズに放出した。ルビオは優れた戦士であり、クレバーなパサーだが、ショットを決めることができず、攻撃面ではマイナスとなっていた。控えのクリス・ダンも成長が遅く、ルビオにとって代わることはなく、そのジャンプショットは良くてもムラがあるという状態だった。

そしてウルブズはバトラーのトレードでザック・ラビーンをブルズに手放した。彼がシーズン絶望のひざの負傷をしていなかったら、ウルブズはトレードしていただろうか。していなかったかもしれない。だが、彼はケガをしてしまった。そして早くても復帰がシーズン中盤になるという状況にしびれを切らし、ウルブズはバトラーとのトレードに踏み切ったのだ。

確かにトレーニングキャンプまで1か月あるが、理論上は、ウルブズはNBAで最も改善されたチームだと思われる。もしもウィギンズとタウンズが互いにさらなる成長を遂げるのであれば、タレントの宝庫であるウェスタン・カンファレンスに属しているとはいえ、新シーズンのオールスターにウルブズから2、3選手が選ばれることもあり得なくはない。

特にベテランは、昨季のウルブズになかった安定性やバランスをもたらすだろう。バトラーはタイトな試合で責任を負い、ウィギンズをその重圧から解放できる。バトラー、クロフォード、ティーグは、昨季3ポイントショットが最低だったチームを活気づけられる。そしてベテランの決断力は、それが必要とされる状況においてウルブズの助けとなるに違いなく、さらなる勝利を生み出すはずだ。

確かにまだ改善の余地はある。だが、一晩では何も起きない。これだけ新顔がいれば、移行期間が必要なのは事実だ。

それでも、ウルブズへの期待が高まるのは当然だ。昨季は31勝。彼らはそれを15勝は伸ばせる。疑わしい点をすべてクリアにし、ニューカマーたちのリードに従っていけば、改革したウルブズは“春の大事な試合”に臨めるはずだ。

原文:30 Teams in 30 Days: Wolves influx of veterans may be right tonic for budding young core by Shaun Powell/NBA.com


2017-18 ミネソタ・ティンバーウルブズ主要データ

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ