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[2017-18シーズン戦力分析]ヒューストン・ロケッツ

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NBA.comのショーン・パウエル記者が2017-18シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第28回目は、ヒューストン・ロケッツ編をお届けする。

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2016-17シーズン成績:55勝27敗

新加入選手:クリス・ポール(トレード)、ルーク・バー・ア・ムーテ(フリーエージェント)、PJ・タッカー(フリーエージェント)

退団選手:パトリック・ベバリー、ルー・ウィリアムズ、サム・デッカー、モントレズ・ハレル

ジェームズ・ハーデンがMVP級の働きを見せ、55勝をあげたロケッツだが、プレイオフではカンファレンス準決勝で敗退した。

チームはシーズン後、ハーデンの負担を減らそうとオフシーズンを迎えた。ケミストリーの問題はある。最初は適応の問題もあるだろう。さらにニューフェイスを1年以上引き留めるのは難しいと思われる。だが、それがどうしたというのだ? クリス・ポールとハーデンが同じチームにいる、それで何がダメなのだろうか。

この世代で有数のポイントガードであるポールをトレードで獲得する際、ロケッツとダリル・モーリーGMは不都合な点があったとしてもそれを切り抜けると決めた。ポールはすべてを満たす選手だからだ。堅実なシューターで、守備もでき、一流のリーダーかつパサーで、大事なショットを任せることもできる。プラス要素がたくさんあるのだ。

ポールはカンファレンス決勝にたどり着いたことがなく、来年の夏には大金を求めることだろう。もしも彼が去るとして、ロケッツには新契約を結ぶために見せられるものが何もない。

だが、それはあくまで来夏の話だ。今は、ハーデンに強力な仲間ができた。ロケッツがNBAで3本の指に入るチャンスは十分にある。

すべてはハーデンとポールがかみ合うかどうかだ。昨季のハーデンは、マイク・ダントーニ新ヘッドコーチが彼のために用意したシステムでポイントガードとしてプレイし、ラッセル・ウェストブルックとMVPを競うほどだった。ダントーニHCは、誰もが知っていたことを見出したのだ。つまり、ハーデンがボールを支配する選手で、攻撃をコントロールするときに輝きを放つということを。

だが、ポールが加わったことで、彼とハーデンは交互にボールを持たなければならない。ポールにはその能力がある。特に中距離からのショットは堅実だ。だが、ハーデンに「キャッチ・アンド・シューター」になるメンタリティがあるだろうか。このシステムで彼がそれをしたことはほとんどない。

パトリック・ベバリーのようにボールを譲るポイントガードでない限り、ハーデンのチームメイトを務めるのは簡単ではない。ロケッツが得点を必要とするとき、ハーデンは手を叩いてボールを求め、ポイントガードはそれに従ってボールを渡すのだ。

おそらく、ポールにその必要はない。ハーデンはより敬意を示し、しばしば守備もするだろう。

繰り返すが、ポールとハーデンはうまくハマればほかのチームたちを苦しめられる。そしてそれは、ダントーニHCの指示によるところが大きいだろう。両選手の力を最大限に引き出し、彼らを幸せでいさせるためのシステムを作り上げるのが、コーチとしての彼の仕事だ。

ハーデンとポールは夏に一緒にプレイすることで関係を築こうとしている。これは良い兆候だ。だが、本当のテストはシーズン中に訪れる。厳しいときにこそ、エゴを出さずに柔軟にチームのために正しいことをやれるかどうかだ。

ロケッツはこの夏、モーリーGMとの契約を4年延長した。理由は簡単だ。彼が最もクリエイティブなGMの一人であり、リスクを恐れず、ロケッツがタイトルを競い続けるために必要なことをすべてやろうとするからである。ポールの獲得だけではない。モーリーGMはエリック・ゴードンやクリント・カペラといった選手たちを手放すこともなかった。

ただ、2016年にライアン・アンダーソンにサラリーを払い過ぎたことは、カーメロ・アンソニーがロケッツへの移籍ならトレード拒否条項を破棄するとニューヨーク・ニックスに伝えたとき、ロケッツにとって大きな問題となった。

それでも、ポールのトレードでロサンゼルス・クリッパーズに放出した選手たちの穴埋めに、モーリーGMはPJ・タッカーとルーク・バー・ア・ムーテという2人の有益なベテランを手ごろな価格で手に入れている。

なお、ロケッツはオーナーのレスリー・アレクサンダーがこの夏、球団を売却すると発表した。彼がオーナーになったばかりのころ、ロケッツは2度の優勝を飾っている。アレクサンダーはモーリーGMを招へいし、必要なときは支出も惜しまなかった。次のオーナーの下でも、ロケッツが同じレベルに達することができるとしたら、それはとても幸運なことだろう。

原文:30 Teams in 30 Days: Houston Rockets hope title chances get boost with addition of Chris Paul by Shaun Powell/NBA.com


2017-18 ヒューストン・ロケッツ主要データ

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ