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[2017-18シーズン戦力分析]ブルックリン・ネッツ

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NBA.comのショーン・パウエル記者が2017-18シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第1回目は、ブルックリン・ネッツ編をお届けする。

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2016-17シーズン成績:20勝62敗

新加入選手:ディアンジェロ・ラッセル(トレード)、アレン・クラブ(トレード)、ティモフェイ・モズゴフ(トレード)、デマーレイ・キャロル(トレード)、ジャレット・アレン(ドラフト)

退団選手:ブルック・ロペス、ボーヤン・ボグダノビッチ

低迷は続き、昨季は20勝。過去2シーズンの白星(41)は、2012-13シーズンの白星(44)よりも少ない。

この数年のネッツは、不運なトレードによって衰退した球団の再建を目指し、独創的な考え方をせざるを得なかった。ポール・ピアースとケビン・ガーネットのコンビのために、のちに貴重となるドラフト1位指名権を手放したトレードだ。結果は周知のとおり。ネッツは今も未来もないという稀なチームとなった。

そのため、ネッツはサラリーキャップの空きを武器に、若い制限付きフリーエージェントの獲得に動かなければならなかった。狙ったのは、クラブとタイラー・ジョンソン、ドナタス・モティユナス、オットー・ポーターJr.だ。オファーシートの総額は2億7000万ドル(約295億4000万円)。だが、加入したのはクラブのみ。それも、オファーシートを出してから1年後の加入となった。

そこで、ショーン・マークスGMはサラリーキャップを使い、別のルートへと向かった。ロサンゼルス・レイカーズからは、モズゴフの契約を引き受けることで、2015年のドラフト2位指名であるラッセルを獲得(代わりにロペスと2017年の1巡目指名権を手放し、レイカーズはカイル・クーズマを指名)。トロント・ラプターズとは、2018年の1巡目指名権と代わりにキャロルをトレードした。

単純に、マークスGMには選択肢がなかったのだ。ほかに、前政権が1巡目指名権を手放した悪いチームを再建できるだろうか。

ネッツはラッセル、クラブ、アレン、ロンデイ・ホリス・ジェファーソン、そしてカリス・レバートを育てるのに新シーズンを使うだろう。みな22歳以下の選手たちだ。彼らはプレイ時間を与えられるだろう。そして、ネッツはとどめるべき財産か、手放すべきか、その才能を測ることになる。

ネッツが期待するのは、ラッセルの台頭だ。レイカーズでの2シーズンは、主に成熟度やリーダーシップの問題によるムラがあった。バイロン・スコット・ヘッドコーチと衝突し、ロッカールームでうまくいかなかった。だが、春には選手として着実に向上。3月には平均で18.6得点、ほぼ5アシストという数字を残している。

ラッセルはおそらく、少し傷ついた。だが、それは良い教訓と経験になり、キャリアを変える瞬間として役に立つはずだ。少なくとも、ネッツはそう信じている。マークスGMはトレードに向けてのラッセルのアプローチを称賛した。ラッセルも正しい言葉を口にしている。それがスタートだ。

「ショットファースト」で知られるラッセルだが、それが許されるのはカイリー・アービングやアイザイア・トーマスのような一貫性がある場合だ。ラッセルはフィールドゴール成功率が40.8%、3ポイントショット成功率が35.1%と、このポジションの選手としては平凡な数字しか残していない。新チームで信頼を得る最善の方法は、コート上で仲間たちを見つけることだ。それが、今季のラッセルの最優先課題となる。

また、ネッツにはキャロルがロッカールームの手本となることが必要だ。そしてそれは期待できるだろう。キャロルはユタ・ジャズ、アトランタ・ホークス、トロント・ラプターズの勝者の環境でプレイしてきた。パーソナリティーの評価は高い。現時点で彼の契約がネッツを傷つけることはないだろう。

クラブは素晴らしいシューターだが、その実績は脇役としてのものでしかない。スターターのプレイ時間を与えられたときにどうだろうか。競争は激しくないので、ネッツはそれを把握できるはずだ。

ドラフトで1巡目指名したアレンは、でん部の負傷でサマーリーグを欠場している。その身体能力やリーチは期待されているが、十分な指導と忍耐が必要なこれからの選手だ。

それまでは、モズゴフがロペスの抜けた穴を埋めることになる。うまくいけば、良いプレイをし、シーズン中にトレード市場で魅力的な関心を引き寄せるかもしれない。そうすれば、ネッツにはさらなるドラフト指名権がもたらされる。

ネッツは未完成品のままだが、賢いファンは過程において購入するものだ。リーダーシップは堅実なようだし、オーナーも仕事をしている。マークスGMは何とかしてタレントを集めようとするだろう。ケニー・アトキンソンHCはシーズンを授業のように使うはずだ。ネッツがようやく勝つ準備を整えられるようになったときに、若い選手たちが活躍できるように育てる。それが目標だ。

それには数年を要するかもしれない。良い時代は待っているはずだ。単純に、これ以上悪くはなりようがないのだから。

原文:30 Teams In 30 Days: Brooklyn Nets Look To Rebuild From Ground Up by Shaun Powell/NBA.com​


2017-18 ブルックリン・ネッツ主要データ

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ