[2017-18シーズン戦力分析]アトランタ・ホークス

[2017-18シーズン戦力分析]アトランタ・ホークス

数年後に結果を残すため、オーナーが方針転換を決断

NBA.comのショーン・パウエル記者が2017-18シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第20回目は、アトランタ・ホークス編をお届けする。

MORE:[2017-18シーズン戦力分析]全30チームの戦力を徹底チェック!

2016-17シーズン成績:43勝39敗

新加入選手:マルコ・ベリネリ(トレード)、ルーク・バビット(フリーエージェント)、ジョン・コリンズ(ドラフト)、ドウェイン・デッドモン(フリーエージェント)、マイルズ・プラムリー(トレード)

退団選手:ポール・ミルサップ、ドワイト・ハワード、ティム・ハーダウェイJr.、タボ・セフォローシャ

富を得た人物がNBAチーム(または他競技のプロスポーツチーム)を購入した場合、まずその人物は最高の席で試合を観られ、チームのファンになる。それから徐々に、自分のビジネスに対する姿勢のようにチームを見始め、コート上で結果を残せないと難題を言うようになる。

今回のケースは、球団を購入するために8億ドル(約868億4000万円)以上を払ったホークスのトニー・レスラー・オーナーだ。レスラー・オーナーは、球団購入後しばらくはバスケットボールに関することに口を挟まなかった。新たな練習施設の建設と、本拠地フィリップス・アリーナの改修工事にはかかわり、このプランは進行中だ。だがチームの成績不振という問題を抱えたレスラー・オーナーには、チームに介入し、変革を実行するという十分な大義名分があった。

まずはマイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチに球団社長のポジションを返上させ、ウェス・ウィルコックスGMを降格させた。その上でゴールデンステイト・ウォリアーズのアシスタントGMを務めたトラビス・シュレンクを新GMに起用。この人事は、レスラー・オーナーがこれまでの手法に疑問と不安を抱いていたことの表れだった。

ブーデンホルザーHCの球団社長辞任は驚きではなかった。HCとの兼任は簡単ではないからだ。以前サンアントニオ・スパーズのアシスタントコーチをしていたブーデンホルザーHCの元上司グレッグ・ポポビッチHCは、指揮官と球団社長の兼任を20年以上もこなしているが、ロサンゼルス・クリッパーズのドック・リバースHCは今夏球団社長の任を解かれ、同じく2つのポジションを兼任しているデトロイト・ピストンズのスタン・バン・ガンディHCはまだ結果を残せていない。

ブーデンホルザーHCが両役職を兼任した過去3シーズンには非常に失望させられた。オールスターのポール・ミルサップ、アル・ホーフォード、カイル・コーバー、ジェフ・ティーグをほぼ何の見返りもなしに放出したばかりか、チームに安定感をもたらしたデマーレイ・キャロルをも諦めた。今後のチームを支えるデニス・シュルーダーは、ブーデンホルザーHCがドラフトで指名した選手ではない。実績としてはケント・ベイズモアと年俸1700万ドル(約18億4500万円)での再契約があげられるが、同選手は出場時間が増え、役割が増した起用法に苦しんだ。

そしてすでに全盛期を過ぎたドワイト・ハワードをトレードで獲得し、昨季のプレイオフでは衝突した。

この事態を踏まえ、レスラー・オーナーは、シュレンクGMに全権を与えた。就任直後、シュレンクGMはブーデンホルザーHCが犯した最大のミスとも言えるハワードをシャーロット・ホーネッツに放出した。その代わりにハワードより残りの契約が1年長いマイルズ・プラムリーを抱えなければならなかったものの、シュレンクGMはリーグ全体が必要性を認識していたハワード放出という決断を実行した。NBAでハワードの契約と、ロッカールームでの影響を抱えたいと思うチームは少ない。


またシュレンクGMは、経費削減のためフリーエージェントになったミルサップとの再契約を考えなかった。ミルサップはデンバー・ナゲッツと年俸3300万ドル(約35億8200万円)という球団に優しい契約を結んだが、シュレンクGMは32歳の選手との高額契約を検討しなかった。そしてティム・ハーダウェイJr.をチームに残す動きも見せず、同選手はニューヨーク・ニックスと7100万ドル(約77億円)という大型契約を結んだ。

明らかにホークスは方針を変えた。サラリーキャップを抑え、ドラフト指名権をキープした上で、若手を中心とする再建段階に入った。

今夏シュレンクGMは、格安で獲得できるフリーエージェント選手にのみ関心を持ち、球団にとってマイナスな高額契約を結ばないモットーを貫いた。その結果、ハワードの代役として、昨季スパーズのローテーションに入ったデッドモンと2年1400万ドル(約15億1900万円)という契約を結んだ。

シュレンクGMがウォリアーズ時代に残した一番の実績は、ドラフトでクレイ・トンプソンの指名に大きくかかわったことだった。ウォリアーズは、人材とエネルギーをドラフトで指名する選手を見極めるために注ぎ、その経験を得たシュレンクGMは今年のドラフト1巡目にコリンズを指名した。コリンズはウェイクフォレスト大学に2年在籍したものの、まだ19歳と若い。

もし今夏ラスベガスで開催されたサマーリーグでのパフォーマンスがコリンズの今後を占うものだとしたら、シュレンクGMは勝利を掴んだと言ってもいい。コリンズはゴール周辺で大暴れし、フットワーク、タッチ、積極性を高く評価された。まだ粗削りな部分はあるものの、基礎的な力は身についている。今季は出場時間を争う状況にいないため、コリンズはローテーションで起用され、ミスをすることで経験を積める。再びホークスがプレイオフに進出できるレベルでプレイする準備を整えたとき、コリンズは洗練された選手に成長しているだろう。

ホークスにとって今季は始まりでしかない。最高レベルの練習施設を作り、2018年の秋にはフィリップス・アリーナの改修工事も終わる。数年以内に勝てるチームができ上がれば、レスラー・オーナーが下した3つの決断が全て揃う。

原文:30 Teams in 30 Days: Few familiar faces found on Atlanta Hawks as rebuild begins by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)


2017-18 アトランタ・ホークス主要データ

プロフィール

日程

ロスター



記事をシェアする

特集

最新ニュース

nba

サンズが3度目の対戦で今季レイカーズに初勝利、33得点のデビン・ブッカーは「負けられなかった」

nba

スパーズが23点差から逆転してサンダーに勝利、グレッグ・ポポビッチHCは選手を称賛「決して諦めず、基本的なプレイを続けたことで流れが変わった」

nba

キャブズが延長戦を制し4連勝、レブロン・ジェームズはセルティックスとの比較を気にせず「周りの意見はどうでもいい」

nba

ネッツのディアンジェロ・ラッセルが左ひざを手術、復帰時期は未定

nba

76ersがロバート・コビントンとの契約を延長

nba

セルティックスに敗れたウォリアーズ、ステフィン・カリーは「今季のファイナルで対戦するかもしれない」

nba

NBAレジェンドのディケンベ・ムトンボが来日「日本のバスケットボールリーグと今後も協力体制を維持していきたい」

nba

クリス・ポール復帰戦の前半だけで90得点を記録したロケッツ、ジェームズ・ハーデンは「スコアがおかしいんじゃないかと思った」

nba

敵地3連勝中のキャブズ、復調の秘訣は睡眠

nba

セルティックスがウォリアーズを下して14連勝、急逝した親友に勝利を捧げたジェイレン・ブラウンは「彼に導かれてプレイできた」

nba

さらに注目を集めるようになった76ers、ブレット・ブラウンHCは中心選手であるジョエル・エンビードとベン・シモンズを絶賛「彼らはまだまだ成長できる」

nba

ステフィン・カリーがオンラインコースでバスケットボールを指導

もっと見るレス
Back to Top