NBA

西C決勝第6戦プレビュー:勝負の分かれ目は、チームリバウンド数とサポーティングキャストの合計得点

Author Photo
Sporting News Logo

オクラホマシティ・サンダーとのウェスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦に勝利し、2勝3敗としたゴールデンステイト・ウォリアーズには、気を休めている暇はない。

目の前の1勝を確実に取りにいく姿勢を貫き、その先にある結果を見てみる以外に、2年連続優勝の可能性を残す方法はない。

先を見据えず、1戦ごとに集中する、という手法は、王手をかけているサンダーにとっても同じことだ。

「先のこと、目の前の試合結果に気を取られるわけにはいかない」と、5月27日(日本時間28日)の練習後に語ったサンダーのビリー・ドノバン・ヘッドコーチからは、気を緩みは一切感じられなかった。

「だが、どうしたって結果は出てしまう。避けるべきことは、結果にばかり集中して、48分間を通してやるべきことを見失うことだ」。

1勝を返したとはいえ、王者ウォリアーズが追い詰められている状況に変化はない。熱狂的なサンダーファンが多く、100%アウェイとなる会場で開催される第6戦で勝利を掴むには、違いを生み出す何かが必要なことを、ウォリアーズも理解している。

第5戦までを振り返ってみると、チームリバウンド数と、サンダーのサポーティングキャストの合計得点が、勝敗に影響を与える可能性が高いことがわかった。

サンダーは、勝利した第1戦(52-44)、第3戦(52-38)、第4戦(56-40)で共に、チームリバウンド数でウォリアーズを上回った。

逆に、ウォリアーズが勝利した第2戦(45-36)、第5戦(45-45)では、ウォリアーズがチームリバウンド数でサンダーを上回る、あるいは同数としている。負けられない状況で迎えた第5戦では、先発センターのアンドリュー・ボーガットが、30分の出場でプレイオフでの自己最多となる15得点、14リバウンドの活躍を見せたことが、ウォリアーズの勝因の1つだったと言って良いだろう。

サンダーが誇る最強の攻撃カードが、二大エースのケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックなのは言うまでもない。しかし、次に注目したい数字は、先述したサポーティングキャストの合計得点だ。

ここで指す“サポーティングキャスト”とは、サージ・イバカ、ディオン・ウェイターズ、スティーブン・アダムズ、アンドレ・ロバーソンの4選手のことで、サンダーが勝利した3試合では、同4選手は合計44得点、48得点、55得点を記録。負けた2試合では、24得点、27得点と大幅に少なく、デュラントとウェストブルックへの負担が増加した。

もし、サンダーがデュラントとウェストブルックのオフェンスだけに頼らなければいけない状況になれば、守る側のウォリアーズにとっては、マークする的を絞りやすくなる分、ディフェンスのゲームプランは立てやすくなる。つまり、ウォリアーズが試合序盤からサポーティングキャスト4選手のリズムを狂わすことができれば、サンダーはデュラントとウェストブルックを中心とするプレイで試合を組み立てなければいけなくなる。その反面、4選手がオフェンスで二大エースの負担を軽減する流れになれば、プレイオフ戦での球団記録に並ぶ133得点をあげてサンダーが快勝した第3戦の再現もあり得る、ということだ。

第5戦では、“スプラッシュブラザーズ”が合計58得点(ステフィン・カリーが31得点、クレイ・トンプソンが27得点)をあげるなど、ウォリアーズは王者の自信を取り戻しつつある。それでも、負けられない重圧から解放されたわけではない。

ホームのファンを味方につけて戦うサンダーの圧に耐え、ウォリアーズが3勝3敗のイーブンに持ち込めるか? それとも、サンダーが王者を粉砕し、一足先にNBA ファイナル進出を決めたクリーブランド・キャバリアーズと優勝を争うことになるのか?

チェサピークエナジー・アリーナで行なわれる第6戦は、28日(同29日 AM10時~)に行なわれる。


2016 NBAプレイオフ試合結果


著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ