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東C決勝第4戦プレビュー:ラプターズとの第3戦を落としたキャブズに訪れた今プレイオフ初の試練

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5月21日(日本時間22日)に行なわれたイースタン・カンファレンス・ファイナル第3戦で、クリーブランド・キャバリアーズのプレイオフ開幕連勝は10で止まった。キャブズは、トロント・ラプターズの伏兵ビズマック・ビオンボに第4クォーター中盤の約2分間で連続6得点を決められた上、プレイオフ球団記録となる26リバウンド、4ブロックと好き放題にやられた。

連勝が止まったことよりも、試合内容の悪さに苛立ちを覚えたキャブズの選手たちは、試合後の夕食の席で、“どういうプレイをすべきだったか”などと、白熱した議論を展開したという。

ビオンボの潜在能力の高さが発揮された試合だったが、キャブズ事態もフィールドゴール79本中28本の成功(成功率35.4%)にとどまるなど、シュートミスが多かった。とりわけ目立ったのが、ケビン・ラブとカイリー・アービングの不調だ。

ラブは第2戦までFG16本中9本、アービングは39本中23本を成功させていたが、第3戦はそれぞれFG9本中1本、19本中3本の成功に終わった。これではビオンボに記録的なリバウンドを奪われても仕方がない。

不調を見かねたタロン・ルー・ヘッドコーチは、第4Q開始からラブをベンチに下げている。試合を通じてオフェンスのリズムが改善されなかったからだろう。試合後には、「もう少しレブロン(ジェームズ)を中心としたプレイを指示するべきだった」とも話している。

ジェームズ中心のプレイを展開することは1つの作戦にはなる。だが、それでは昨年と何も変わらない。ジェームズ本人も、ファーストラウンドから10連勝をマークし、自身の負担を軽減する大きな要因となっているラブとアービングへの信頼を口にしている。

「彼らこそ、今季チームが成功を収められている大きな要因なんだ。たった1試合の成績だけで、チームがその方針を変えることはない。シュートが入らないときは誰にでもある。そういう結果になったとしても、彼ら2人への信頼が揺らぐことはない」。

シリーズ2勝1敗という現時点の成績とチームの戦力を考えれば、キャブズが有利という状況は変わらない。ただし、プレイオフのシリーズは短期決戦だ。もし、シリーズ初勝利で勢いを手にしたラプターズに連敗を許せば、一気に潮目が変わる可能性もある。

“戦術レブロン”に舵を切るか、ここまで機能してきた手法を継続するかは、キャブズにとって大きな決断になるだろう。プレイオフを通じて好調だったキャブズとルーHCに、初めての試練が訪れたといっても過言ではない。

注目の第4戦は、23日(日本時間24日 午前9時30分)にエア・カナダ・センターで行なわれる。


2016 NBAプレイオフ試合結果


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ