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セミファイナル進出か、第7戦突入か――王手のかかったファーストラウンド第6戦3試合が現地29日に開催

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4月29日(日本時間30日)、トロント・ラプターズ対インディアナ・ペイサーズ、マイアミ・ヒート対シャーロット・ホーネッツ、ロサンゼルス・クリッパーズ対ポートランド・トレイルブレイザーズの第6戦3試合が行なわれる。結果次第で2016 プレイオフ・カンファレンス・セミファイナル進出チームがすべて出揃う可能性がある。

第5戦までを終え、3勝2敗でリードしているラプターズ、ホーネッツ、ブレイザーズが勝ってカンファレス・セミファイナル進出を決めるか、もう1敗も許されないペイサーズ、ヒート、クリッパーズが勝って第7戦までもつれることになるのか。ファーストラウンドは佳境に入っている。


ラプターズ対ペイサーズ第6戦

ラプターズはここまで3勝2敗とリードしている。だが、2大エース、デマー・デローザンとカイル・ラウリーは、まだ本来の実力を発揮しきれていない。ラウリーは平均15.2得点、フィールドゴール成功率31.4%に抑えられ、デローザンは102-99で勝利した第5戦でこそ34得点をあげたものの、第4戦までは平均13.3得点、FG成功率29.6%と苦しんでいた。これらの数字だけを見れば、ペイサーズにも付け入る隙は十分にあると言えるだろう。

とはいえ、ペイサーズは第5戦の第4クォーター開始時点で13点のリードを奪っておきながら、最終クォーターを9-25と圧倒され、痛恨の敗戦を喫した。エースのポール・ジョージは、この敗北を精神的に引きずっているようだ。28日の練習後にジョージは、「(第5戦に勝ってホームでの第6戦が行なわれる)金曜の夜を特別なものにしたかったのに、失敗してしまった。フラストレーションが溜まるよ」と、語っている。

ペイサーズは、第5戦で39得点の大活躍を見せたジョージが第4Q序盤にベンチへ下がっている間にラプターズに反撃を許し、シリーズに王手をかけられた。フランク・ボーゲル・ヘッドコーチに直訴するつもりはないと前置きしつつ、ジョージは第6戦で全48分間プレイすることも厭わないと話している。


ヒート対ホーネッツ第6戦

ホーネッツは14年ぶりのプレイオフシリーズ勝ち上がりまであと1勝に迫っている。それでも“アンダードッグ”(格下)という見方は変わっていない。むしろ、2勝3敗と追い詰められたヒートがこの試練に立ち向かうだろうという見方がまだ多く存在している。

当然ながら、この傾向にホーネッツのケンバ・ウォーカーは憤慨している。ホーネッツを牽引する小さなエースは、苛立ちを隠さずこう語った。

「不満だよ。自分たちのプレイが認められていないのだからね。本当に怒っている」。

シリーズ最初の2試合に連敗を喫したホーネッツは、第3戦からディフェンスが機能し始め、3連勝した第3~5戦でヒートを平均84.3得点、FG成功率38.6%に抑えた。3連勝の勢いに乗るホーネッツは今シリーズを含め、ホームでのヒート戦直近6試合で5勝1敗と大きく勝ち越すなど、ホームでの苦手意識はない。

一方、窮地に立たされたヒートは、勝利した第1~2戦で3ポイントシュート34本中18本を成功させた。しかし、3連敗を喫した第3戦以降の3P成功率は33.3%に落ち込み、第5戦では18本中わずか5本の成功にとどまった。敵地開催となる第6戦では、3P成功率が勝負の分かれ目となるかもしれない。

なお、長期離脱中のクリス・ボッシュ(ヒート)は、すでに試合に出場できるだけの健康状態に回復しているという情報がある。しかし、チームは出場許可を出していないため、第6戦も欠場する見込みだ。


クリッパーズ対ブレイザーズ第6戦

ホーネッツと同様、シリーズ前の時点では1回戦敗退が濃厚と見られていたブレイザーズが、予想を裏切ってセミファイナル進出に王手をかけている。その最大の要因は、デイミアン・リラードとC.J.・マッカラムによる強力バックコートコンビの活躍にほかならない。

特にリラードの勝負強さは、108-98で勝利した敵地での第5戦でも証明された。71-71の同点で迎えた第4Q、それまでクリッパーズの執拗なディフェンスに阻まれ、第3Q終了までわずか6得点に抑えられていたリラードが、第4Qだけで6本中4本の3P成功を含む16得点をマークし、エースに相応しい活躍を見せたのだ。また、今季のMIP賞に輝いたマッカラムも、2連敗で迎えた第3戦以降は平均24.3得点を記録するなど、シリーズが進むにつれて調子を上げている。

クリッパーズにとっての大誤算は、クリス・ポールとブレイク・グリフィンの負傷離脱だ。ポールは右手骨折で無期限の欠場、グリフィンは左大腿部の負傷悪化により今季残り試合の欠場が決まり、最も重要な時期に“飛車角落ち”の状態で戦わなくてはならなくなった。さらに、第5戦でチーム最多の19得点を記録したJ.J.・レディックが左踵痛を抱えているという情報もある。

「ディフェンスの状態は良いので、あとはオフェンスの改善だけ」と、ポールの代役として第5戦で先発出場したオースティン・リバースが語る通り、クリッパーズの鍵はオフェンスだ。2勝0敗でリードした第2戦まではFG成功率49.7%を記録したものの、第3戦以降は39.5%に落ち込んでいる。ドック・リバース・ヘッドコーチは28日の練習後、「期待されていることはわかっている。明日の試合では、前の試合よりもはるかに良いプレイを見てもらえると思う」と、話している。


2016 NBAプレイオフ試合結果


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ