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レブロン・ジェームズ「ファンのための優勝」

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6月19日(日本時間20日)、オラクル・アリーナで行なわれた2016 NBAファイナル第7戦、クリーブランド・キャバリアーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズは、93-89でキャブズが勝利し、球団史上初優勝、並びにNBAファイナル史上初となる1勝3敗からの逆転優勝を果たした。

27得点、11リバウンド、11アシストのトリプルダブルをマークし、ファイナルMVPに選出されたキャブズのレブロン・ジェームズが、試合後の会見でメディアからの質問に答えた。



優勝直後の記者会見でジェームズは3人の子供たちと共に壇上に上がった

――レブロン、まずは優勝をおめでとう。自身3度目の優勝だが、これまでの優勝と比べて、今回は生まれ育ったクリーブランドのための優勝、オハイオ州のための優勝ということで、より重要な意味合いを持つのだろうか?

もちろん。僕たちの街、オハイオのノースイーストが、ここ50年間プロスポーツの世界で経験してきたことを考えればね。

振り返ってみれば、アーネスト・バイナー(元NFLクリーブランド・ブラウンズ所属)のファンブル、ジョン・エルウェイ(元NFLデンバー・ブロンコス所属)が決めた99ヤードのドライブ、ホセ・メサ(元MLBクリーブランド・インディアンス所属)の9回セーブ失敗、それにキャブズのファイナル進出まで、いろいろとあった。2007年に(サンアントニオ・スパーズに)スウィープ負けを喫したときも、去年4勝2敗で(ウォリアーズに)敗れたときも、僕はチームの一員としてプレイしていた。ほかにも、たくさんストーリーはある。

ファンの皆は、何があっても、ブラウンズ、インディアンス、キャブズ、ほかにクリーブランドを本拠地とするスポーツチームと添い遂げてくれる存在なんだ。彼らは、僕たちをサポートし続けてくれる。この流れ(クリーブランドを本拠地するプロスポーツチームが優勝できなかった52年間を)を終わらせられたことは、ファンの皆が受けるに値すること。(優勝は)彼らに相応しい。これは、彼らのための優勝なんだ。

――ウォリアーズが3勝1敗でリードしてから、何がシリーズの流れを変えたと思う?

ホームでの第4戦で負けたとき、僕は、1つのポゼッション、1試合に集中しないといけないと話した。(第5戦は)ゴールデンステイト開催だったし、ホームから離れていた。だから、あと1試合ホームでやりたいと思った。

僕は(実現できると)信じていた。チームメイトも、リーダーである僕を信じてくれていた。僕は、日々チームメイトに、自分がリーダーと伝え続けた。彼らは毎試合で僕にチームを引っ張らせてくれた。僕も真摯に向き合った。僕、残りの14選手、コーチングスタッフ、ファンの皆以外は信じていなかったと思う。あとはプレイを決めて、全員で実行できるかどうかだった。それをやれたということ。

――試合前の国歌斉唱前、ベンチに座って考え込んでいたように見えた。何を考えていた?

勝つために何をすればいいかとか、そういうことを頭から消し去っていた。もちろん、僕はチームの勝利のために努力したけれど、あのときは、ただ試合についてだけ考えていた。プレイについてだけ考えていた。必ず相手は猛攻を仕掛けてくる、ということを考えていた。偉大なチームだからね。それに、自分たちがミスを犯すということを予め念頭に置いていた。ミスをしても挽回する上で必要なことだし、次のポゼッションに切り替えるために必要だから。

それから、その瞬間を感じ、その瞬間に生きようと思っていた。試合前、チームメイトには、NBAファイナル第7戦を戦える選手、チームの数は限られていると伝えた。

僕にとっても2度目のファイナル第7戦で、2度とも勝利を得られた。チームメイトには、「この機会を当たり前と思ってはいけない。さぁ、やってやろう。俺たちのコーチングスタッフが素晴らしいプランを用意してくれたんだ。実行しよう」と、話したんだ。


[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ