2016 NBAファイナル第1戦 は、伏兵ショーン・リビングストンの活躍により、ゴールデンステイト・ウォリアーズが104-89でクリーブランド・キャバリアーズに先勝した。
ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの“スプラッシュブラザーズ”は、合計20得点(カリー11得点、トンプソン9得点)にとどまったものの、控えのリビングストンが27分の出場でフィールドゴール10本中8本成功を含むプレイオフ自己最多の20得点をあげ、エースシューター2人の不調の穴を埋めた。
カリーとトンプソンのスタッツだけを見れば、ウォリアーズが敗れていても不思議ではないように思える。しかし、ウォリアーズは、イースタン・カンファレンス・ファイナルまで絶好調だったキャブズの3ポイントシュートをわずか7本(21本中)に抑えこみ、試合を通じてターンオーバーを17回誘発し、そこから25点を奪ってみせた。また、ベンチ選手の合計得点で45-10と圧倒し、昨年のファイナルと同様、ウォリアーズが初戦をものにしている。
リビングストン以外にも、ウォリアーズのベンチ陣はキャブズを翻弄した。昨年のファイナルMVPを受賞したアンドレ・イグダーラは12得点、7リバウンド、6アシスト、リアンドロ・バルボサもわずか12分の出場でFG5本をすべて成功させ、11得点の大活躍を見せている。
6月3日(日本時間4日)の練習後、リビングストンはセカンドユニットの在り方についてこう語っている。
「僕たちは、(先発に)休みを与えるためだけに出ているわけではない。チームにとって生産性のあるプレイを決めるために、コートに出ているんだ。大事なのは、意識の持ち方だよ」。
「先発が苦しんだけれど、僕たち(控え)が活躍することで勝てるのは気分が良い。僕らはお互いのことを信頼し合っている。だから、全員がステップアップできるんだ」。
キャブズにとって、ウォリアーズベンチ陣の初戦の活躍は想定を超えるものだったかもしれない。とはいえ、キャブズが初戦に敗れた最大の原因は、ターンオーバーからの失点が多すぎたことだろう。レブロン・ジェームズも第1戦後の会見でその点を繰り返し語り、ミスが多すぎたことを認めている。
ただし、完敗したように見える初戦のなかでも、第3クォーターにはキャブズが流れを掴みかけた時間帯もあった。
カイリー・アービングがアタックから自らシュート、あるいはジェームズにパスを出して攻撃を仕掛けたり、ケビン・ラブとトリスタン・トンプソンが果敢にオフェンシブリバウンドを奪い、セカンドチャンスをものにした。積極的なアタックが功を奏したキャブズは、第3Q序盤につけられていた11点差(45-56)の状態から一時は逆転に成功している。
ゴールにアタックするキャブズの攻撃は、確かにチームにリズムを生んでいた。第2戦ではそうしたインサイドへの積極的なアタックに加えて、J.R.・スミス、ラブ、チャニング・フライらアウトサイドからの攻撃も必要になるだろう。
スミスは、第1戦でフィールドゴール(すべて3P)をわずか3本しか試投しなかった(1本成功)。ジェームズが練習後の会見で話したように、試合序盤からスミスが積極的にシュートを打つ場面を作ることも、キャブズのオフェンスの流れを持続するためのポイントになるはずだ。
いずれにせよ、第1戦の結果を踏まえて両チームとも策を練って臨んでくる第2戦は、初戦とはまた違った展開になるに違いない。なお、昨ファイナルはウォリアーズがホームでの初戦をものにしたものの、続く第2戦とクリーブランドでの第3戦はキャブズが連勝している。
連勝を狙うウォリアーズと連敗は避けたいキャブズによる2016 NBAファイナル第2戦は、5日(同6日、日本時間午前9時~)にオラクル・アリーナで行なわれる。
[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ