NBA

[2016-17シーズン戦力分析]ダラス・マーベリックス

Author Photo
Sporting News Logo

NBA.comのショーン・パウエル記者が2016-17シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第15回は、ダラス・マーベリックス編をお届けする。


2015-16シーズン成績:42勝40敗

新加入選手:A.J.・ハモンズ、クインシー・エイシー、ハリソン・バーンズ、セス・カリー、ジョナサン・ギブソン、アンドリュー・ボーガット

退団選手:ジェレミー・エバンス、レイモンド・フェルトン、デイビッド・リー、ザザ・パチューリア、チャンドラー・パーソンズ、ジャベール・マギー

2011年に優勝して以降、ダラス・マーベリックスはプレイオフ1回戦の壁を越えることができていない。

だが、スター選手であるダーク・ノビツキーを気の毒に思うことはない。将来は殿堂入りすると見られるノビツキーは、そのキャリアで2億2000万ドル(約228億円)を稼ぎ、仲間であるオーナーのマーク・キューバンはこの夏、ノビツキーと2年総額5000万ドル(約52億円)の新契約を結んだ。ノビツキーは球団史上最高の選手であり、アメリカンフットボールが第一の街で愛され、チャンピオンリングも持っている。ダラスでもベルリンでも、彼が勘定を払うことはないだろう。

37歳となり、ノビツキーがその見事なキャリアの終わりに近づくなか、チームは唯一の優勝を果たして以降、安定した基盤を見出せていない。パレードから5年、ノビツキーは昨季も平均18.3得点を記録しており、今でもロスターの中で最高の選手だ。

ノビツキーは、再建プロセスの一員になりたくないと言っていた。だが、キューバンからの“高額の退職金”と、コービー・ブライアントやティム・ダンカンのように一つの球団だけでキャリアを終えたいという思いが、彼を納得させたようだ。その間、マブスは解体してやり直すことよりも、競争力を保とうと懸命に穴埋めをしている。

その判断により、チームはどん底に落ちることなく、ドラフトロッタリーに加わることもなかった。サラリーキャップもやや融通が利く状態のままだ。マブスは、ドラフトを通じて再建するには良すぎるチームであり、プレイオフで勝ち進んでいくには限界のあるチームのように見える。


ウォリアーズから移籍してきたハリソン・バーンズ

この夏も、彼らは現状を維持した。チャンドラー・パーソンズ、ザザ・パチューリア、レイモンド・フェルトンをフリーエージェントで失い、似たようなハリソン・バーンズ、アンドリュー・ボーガット、セス・カリーを加えた。ドラフト1巡目指名権はなく、ケビン・デュラントやAランクのFA選手の獲得もなかった。彼らのプランは、競争力を保ちつつ、来夏サラリーキャップが空いたときにより実力のあるFAを獲得できるように願うことだった。

デュラントがゴールデンステイト・ウォリアーズに移籍したことで、マブスはあぶれたバーンズを獲得するという恩恵を受けた。マブスは、ウォリアーズでセカンドオプションだったバーンズの潜在能力を引き出せるようにと願っている。バーンズは2016年のNBAファイナルではあまり良くなかったものの、マブスは彼と契約し、重要な役割を与えたということだ。

バーンズは平均35分程度プレイし、ノビツキーとともに、あるいはノビツキーに代わってチームをけん引できるようになるだろうか? ウォリアーズでの4シーズンは、平均28分間のプレイで10得点、4.6リバウンドという成績だった。過去2シーズンはスターターだったが、それは主にスティーブ・カーHCがアンドレ・イグダーラをベンチから起用したかったからだ。マブスが正しいのか間違えているのかは、バーンズの活躍次第となる。


バーンズと同じくウォリアーズからマブスへ移籍してきたアンドリュー・ボーガット

昨年の夏、マブスは再びタイトルを狙えるチームになる大きなチャンスを得たと考えていた。FAだったディアンドレ・ジョーダン(ロサンゼルス・クリッパーズ)と口頭合意に達したからだ。リック・カーライルHCの指導のもと、ジョーダンやパーソンズ、ノビツキー、ウェスリー・マシューズがいれば、楽観するだけの理由となる。だが、ジョーダンは合意を破棄し、パーソンズは負傷。マシューズは標準以下の出来に終わった。

ノビツキーは年齢に抗い続けている。だが同時に、とても近い将来、マブスは次の時代に向けて動かなければならない。そして、それは今、起きているのかもしれない。バーンズと、マブスが次に加える選手次第だ。

原文:30 Teams in 30 Days: Mavs just outside of West's elite mix by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)


2016-17シーズン NBA全30チーム戦力分析


著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ