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ライジングスターズ・チャレンジが改めて強調した"リーグの国際化と外国人選手の充実ぶり"

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現地13日にブルックリンのバークレイズ・センターで行なわれた『BBVA Compass ライジングスターズ・チャレンジ』は、米国外出身選手によるワールドチームが、粘るアメリカチームを121-112で退けた。

MVP最有力候補の呼び声高かったアンドリュー・ウィギンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ/カナダ出身)は、7人が二桁得点をあげたワールドチームのなかで最多となる22得点を叩き出し、戦前の大方の予想通りMVPを獲得した。

「良い気分。競い合いになったと思うし、見ている人にも楽しんでもらえたと思う。何よりも大事なのは、皆で楽しくプレーできたこと」と語ったウィギンズは、フィールドゴールを11本中8本を成功させ、フリースローを5本すべて沈め、リバウンドを6本獲得した。ダンク6本を叩き込んだ2014年ドラフト全体1位指名の大器は、大舞台でその才能をしっかりと見せつけた。

20分ハーフの前半を69-67と2点リードで折り返したワールドチームは、後半に入ると、アメリカチームのザック・ラビーン(ウルブズ)に2本のアリウープダンクを決められるなどし、開始3分で逆転を許した。

しかし、ワールドチームはウィギンズ、ルディ・ゴベール(ユタ・ジャズ/フランス出身)らのダンクなどで残り13分24秒時点で90-90の同点に追い付くと、続いてゴベールのFT、ブロック、ダンクなどで再びリードを奪い、その後は追いつかれることなく逃げ切った。

アメリカチームは後半に逆転されてからも、オラディポ、ラビーン、トレイ・バーク(ジャズ)らの攻撃を中心に追いすがった。だが、111-115と4点を追っていた残り1分、メイソン・プラムリー(ブルックリン・ネッツ)が、この日3本目となるゴベールのブロックショットの餌食となり、ボールを拾ったウィギンズのアシストでデニス・シュローダー(アトランタ・ホークス/ドイツ出身)がドライビングダンクを炸裂させ、ワールドチームに勝利をもたらした。

ワールドチームの勝因は、試合終盤にタフな守備と得点力を見せつけた点にある。なかでもウィギンズの得点力とゴベールのブロックはアメリカチームにとっての脅威となり、ワールドチームが勝利を掴む大きなカギとなった。

ゲーム内容は、オールスターゲームよろしく、全体的にタフな守備の見られない、ソフトなものだったかもしれない。それでも、MVPに輝いたウィギンズの身体能力、ゴベールの高さ、シュローダーのトリッキーかつ的確なプレーメークなどは、随所で会場を揺らした。また、やや単調だったアメリカチームのプレーを上回る組織力も感じさせた。

8カ国からなる多国籍軍となったワールドチームは、試合の大半で主導権を握り、終盤、粘るアメリカチームを突き放して勝利を掴んだ。対戦フォーマットが「アメリカ対世界」となった初めての試合で"インターナショナル軍団"が勝利を収めたという事実は、リーグの国際化及び外国人選手の充実ぶりを改めて強調したと言えるだろう。

ボックススコア

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