NBA

NBAファイナルにまつわるトピックス

Sporting News Logo

6月16日(日本時間17日)に行なわれた2015 NBAファイナル第6戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズがクリーブランド・キャバリアーズを4勝2敗で下し、優勝を飾った。ファイナルにまつわるトピックを紹介しよう。

●40年ぶりの優勝

ウォリアーズの優勝は、1974-75シーズン以来40年ぶり。ウォリアーズは過去3シーズン連続でプレーオフに出場しているが、その前までの18シーズン中17シーズンはプレーオフにさえ進出できていなかった。
 

●球団史上4度目の栄冠

今回の優勝は、ウォリアーズにとって通算4度目の栄冠となった。初優勝はNBAのリーグ創設年である1946-47シーズン。エディ・ゴットリーブHC兼オーナーの指揮の下、“ジャンピング”ジョー・ファルクスらを擁したウォリアーズは、その頃フィラデルフィアを本拠地としており、NBAは当時BAA(Basketball Association of America)という名称だった。2度目の優勝は、24秒クロックが導入されて2年目となる1955-56シーズン、ジョージ・セネスキーHCの指揮下でポール・アリジン、ニール・ジョンストンらを擁するチームだった。3度目は本拠地をベイエリアに移した後の1974-75シーズン。アル・アトルズHC、エースのリック・バリーを擁するこのチームは、シーズン60勝をあげたワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)を4戦全勝で下して優勝を成し遂げた。
 

●球団史上2人目のファイナルMVP

ファイナルMVPに選ばれたアンドレ・イグダーラは、ウォリアーズにとって1975年のリック・バリー以来となる球団史上2人目のファイナルMVPとなった。今ファイナル第3戦までの今季全試合(レギュラーシーズン77試合、プレーオフ最初の18試合)でベンチ出場だった。なお、イグダーラは昨季までのキャリアで出場したすべての試合(レギュラーシーズン758試合、プレーオフ48試合)でスターターを務めていた。また、イグダーラが第6戦で記録した25得点は、今季自身最多得点(今季最多はレギュラーシーズンで21得点を2回、ファイナル第4戦で22得点)だった。

なお、イグダーラはプレーオフ最初の3ラウンドで先発出場せずにファイナルの試合で先発を務めた史上4人目の選手となっている。過去の3人は、2013年のマヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ)、1999年のマーカス・キャンビー(ニューヨーク・ニックス)、1991年のテリー・ティーグル(ロサンゼルス・レイカーズ)。
 

●新人ヘッドコーチの優勝は史上7人目

ウォリアーズのスティーブ・カーは、新人ヘッドコーチとして史上7人目の優勝コーチとなった。過去の6人は、1982年のパット・ライリー(ロサンゼルス・レイカーズ)、1980年のポール・ウェストファル(ロサンゼルス・レイカーズ)、1972年のビル・シャーマン(ロサンゼルス・レイカーズ)、1956年のジョージ・セネスキー(フィラデルフィア・ウォリアーズ)、1949年のジョン・クンドラ(ミネアポリス・レイカーズ)、1947年のエディ・ゴットリーブ(フィラデルフィア・ウォリアーズ)。なお、シャーマン、クンドラ、ゴットリーブの3人は、別のリーグでヘッドコーチの経験があった。

カーとキャブズのデイビッド・ブラットはどちらもNBA1年目のヘッドコーチで、新人ヘッドコーチ同士のファイナルは、リーグ創設初年の1947年以来初めてのことだった(ゴットリーブとシカゴ・スタッグスのハロルド・オルセン)。
 

●ファイナル経験者0人で優勝

ウォリアーズのロスターは、15選手全員がNBAファイナル進出経験のない選手たちで構成されていた。同様の状況下で優勝したのは、1990-91シーズンのシカゴ・ブルズ以来初めて、ファイナル進出を果たしたのも1996-97シーズンのユタ・ジャズ以来初となった。
 

●クレイ・トンプソンが史上4組目の“親子優勝”

ウォリアーズのクレイ・トンプソンは、2度の優勝経験を誇るマイケル・トンプソン(1987~88年にロサンゼルス・レイカーズで2連覇)の息子で、ともにNBA優勝を成し遂げた史上4組目の親子選手となった。

過去の3組は、リック(1975年ゴールデンステイト・ウォリアーズ)&ブレント(2005、07年サンアントニオ・スパーズ)のバリー親子、マット・シニア(1947年フィラデルフィア・ウォリアーズ)&マット・ジュニア(1967年フィラデルフィア・76ers)のグーカス親子、ビル(1977年ポートランド・トレイルブレイザーズ、1986年ボストン・セルティックス)&ルーク(2009~10年ロサンゼルス・レイカーズ)のウォルトン親子。なお、ルーク・ウォルトンは、今回ウォリアーズのアシスタントコーチとして自身3回目の優勝を果たした。

そのほか、選手とGMとして、ネルソン親子(選手として父ドン、GMとして息子ドニー)とフェリー親子(選手として父ボブ、GMとして息子ダニー)も“親子優勝”を果たしている。
 

●同一シーズンにDリーグとNBAで優勝

ウォリアーズのオグニェン・クズミッチとジェイムズマイケル・マッカドゥーは、同一シーズンにDリーグとNBAで優勝を果たしたチームの最終ロスターに所属していた史上初の選手となった。クズミッチはサンタクルーズ・ウォリアーズで36試合、マッカドゥーは35試合出場し、Dリーグ優勝に貢献した後、ウォリアーズでも優勝を経験した。

また、フェスタス・エジーリとジャスティン・ホリデイも、今季サンタクルーズで試合に出場した経験がある。
 

●カリーが3ポイントの新記録を樹立

ウォリアーズのステファン・カリーは、今ファイナルで平均26.0得点、3ポイントシュートを65本中25本成功(成功率38.5%)させた。カリーが今プレーオフで決めた3P98本は、2000年にインディアナ・ペイサーズのレジー・ミラーが決めた58本を大きく上回る、単年のプレーオフにおける最多成功記録となった。

また、今プレーオフでカリーが記録したシリーズごとの3P成功数は、4戦決着シリーズでの20本(対ニューオーリンズ・ペリカンズ)、5戦決着シリーズでの27本(対ヒューストン・ロケッツ)、6戦決着シリーズでの26本(対メンフィス・グリズリーズ)と25本(対キャブズ)で、それらのいずれもがプレーオフ新記録となった。

カリーがファイナルで放った3P試投数65本は、シリーズの決着試合数にかかわらずリーグの新記録となっている。
 

●レブロンが史上6人目のプレーオフ通算5000得点を突破

レブロン・ジェイムズは今ファイナル6試合で1試合平均35.8得点、13.3リバウンド、8.8アシストをマークした。3試合で40得点以上を記録したのは、4試合で40得点以上を記録した1969年のジェリー・ウェスト(ロサンゼルス・レイカーズ)、1993年のマイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ)に次ぐ数字だった。

また、第6戦の32得点により、ジェイムズはプレーオフ通算得点を5020点とし、史上6人目のプレーオフ通算5000得点に到達した。過去の5人は、マイケル・ジョーダン(5987点)、カリーム・アブドゥル=ジャバー(5762点)、コービー・ブライアント(5640点)、シャキール・オニール(5250点)、ティム・ダンカン(5113点)。

さらにジェイムズは、第2戦(39得点、16リバウンド、11アシスト)と第5戦(40得点、14リバウンド、11アシスト)でトリプルダブルをマークし、マジック・ジョンソンの8回に次ぐ史上2位のファイナル通算6回目のトリプルダブルを記録している。

著者