NBA

[2015 NBAオールスターゲーム展望] 注目のMVP争いを制するのは誰!?

Sporting News Logo

2015年のNBAオールスターウィークエンドも大詰めを迎え、現地15日(日本時間16日)には、いよいよマディソン・スクエア・ガーデンでオールスターゲームが行なわれる。

コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)、ブレイク・グリフィン(ロサンゼルス・クリッパーズ)、アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)といった人気選手たちの故障欠場は残念ではあるが、それでも今年も例年通りの豪華メンバーが揃った。ここでは3つの注目ポイントを挙げて、“夢の球宴”の見どころを紹介していきたい。

■ガソル兄弟の競演

金曜日のメディアセッションにてレブロン・ジェイムズ(クリーブランド・キャバリアーズ)以外で最大の注目を集めたのは、史上初の兄弟先発出場を果たす“ガソル・ブラザーズ”だった。

これまでパウは4度、マークは1度の球宴出場経験があるが、同時出場は初めて。しかも今季はともにスターターなのだから、パウが「とても幸福だ」と喜んだのも当然だろう。

2人のスペイン人ビッグマンが挑むティップオフは、オールスター史に刻まれる歴史的瞬間になる。今年のオールスターには去年の約2倍の534人の海外メディアが取材に訪れたが、誰もがこぞってカメラのシャッターを切るに違いない。

「(直接対決では)僕が勝つこともあれば彼が勝つこともある。僕たちはともに才能のある選手たちだからね」。

パウはそう語り、“兄弟対決”を盛り上げようとするメディアの質問をはぐらかした。しかし、せっかくの機会なのだから、普段から仲の良い2人が大舞台で激しくやり合う姿も見たいものである。

■ホークスの年

前半戦でリーグ最大のサプライズチームとなったアトランタ・ホークスから、アル・ホーフォード、ジェフ・ティーグ、ポール・ミルサップ、カイル・コーバーと4選手が選出された。

また、イースタンの指揮を執るのもホークスのマイク・ブデンホルザーHC。加えてコーバーは3ポイントコンテスト、ティーグと新人のデニス・シュローダーはスキルズ・チャレンジにも出場するなど、今季を通じて吹き荒れた“ホークス旋風”はオールスターウィークエンド中も続いている感がある。

本戦で気になるのは、ブデンホルザーHCが自軍の選手たちをどんな形で起用するか。

1チーム4人選出はラジョン・ロンド、ポール・ピアース、レイ・アレン、ケビン・ガーネットが顔を揃えた2011年のボストン・セルティックス以来となる。その年は、すべてリザーブで選ばれた“ビッグ4”をドク・リバースHCが合計プレー時間55分のみと控えめに起用した。

しかし、ホークス・カルテットは、当時のセルティックスほどコンディション面の気遣いは必要ない。4人を揃ってフロアに立たせる時間も少なからず作り、好調の要因となった抜群のケミストリーを球宴でも披露して欲しいところだ。

■MVP争いは?

ラスベガスのMVP争いオッズではステファン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がトップで、以降はレブロン、ケビン・デュラント(オクラホマシティ・サンダー)、ジェイムズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)、カーメロ・アンソニー(ニューヨーク・ニックス)と続く。

オールスターのような舞台でMVPを獲る選手を予想することは難しいが、確かにカリーが最有力候補と考えられる根拠は数多い。

前半戦をリーグ最高勝率で突っ走って来たウォリアーズのエースとして、カリーは絶好調。オールスターサタデーナイトでは本命視された3ポイントコンテストも見事制し、大舞台での強さを改めて証明した。

ボールを手にすることが多いポイントガードというポジションであることも大きい。しかも、ウェスタン・カンファレンスを率いるのはウォリアーズの指揮官でもあるスティーブ・カーHCだ。ゲーム展開次第で、カーはカリーが力を発揮しやすい布陣を敷くことだってできるはずだ。

「素晴らしいチームの中で、今季は楽しくプレーできている」。

現地13日の会見時にも笑顔でそう語っていたカリーは、“今が旬”の選手独特の勢いを感じさせる。オールスターゲーム本戦でも、序盤から順調に得点を稼ぎ、初のMVPを獲得しても誰も驚きはしないだろう。

もっとも、現役No.1、No.2プレーヤーと評価されるレブロン、デュラントももちろん黙ってはいないはず。ラッセル・ウェストブルック(サンダー)、ハーデン、カイリー・アービング(キャブズ)らも、波に乗ればいつでも大量得点が可能。ひざの状態が悪いカーメロは長時間プレーできるか微妙だが、地元出身の地の利も生かし、ここでシーズン中の鬱憤を晴らす活躍を見せてくれるかもしれない。

終盤まで接戦のゲームとなり、どのスーパースターがMVPになるか最後まで読めない展開になれば、MSGも湧きあがる。そんな流れになれば、2015年のオールスターは誰の心にも刻まれるイベントとして終幕を迎えるはずである。

[関連記事]

2015 NBAオールスター特集

著者