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2015-16 戦力分析:ミネソタ・ティンバーウルブズ

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ゴールデンステイト・ウォリアーズが40年ぶりの優勝を達成した2014-15シーズン終了後、NBAの各チームは、オフに積極的な補強を行なっている。NBA.comでは、ショーン・パウエル記者が、全30チームの戦力を分析。今回は、ミネソタ・ティンバーウルブズを紹介したい。

2015-16 NBA全30チーム戦力分析


新選手:カール=アンソニー・タウンズ、テイショーン・プリンス、タイラス・ジョーンズ、アンドレ・ミラー

退団選手:主力に退団はなし

この20年間、ミネソタ・ティンバーウルブズはドラフトでの不運に泣かされ続けた。しかし、今年はドラフト1位指名権を獲得し、即戦力新人と評価の高い、カール=アンソニー・タウンズを指名した。

19歳のタウンズは、身長211cmながら、NBAルーキーフォトデイでは股抜きダンクを披露するなど器用な選手で、ハードワークを厭わず、学ぶ姿勢も強い選手だ。これは、“教育係”となるケビン・ガーネットにとっても朗報だろう。

今年のドラフトは“豊作年”と呼ばれ、タウンズのほかにも、ディアンジェロ・ラッセル(ロサンゼルス・レイカーズ)、ジャリル・オカフォー(フィラデルフィア・76ers)ら有力選手が多く揃った。ウルブズの選択が成功だったかどうかは、数年後までわからない。だがタウンズ加入により、ウルブズに欠けていたフロントコートの厚みは補われた。

若手主体のウルブズには、ザック・ラビーン、アンドリュー・ウィギンズ、リッキー・ルビオという、今後のチームの核となれる選手が揃っている。懸案事案はフロントコートの人材で、ガーネットは39歳と高齢、ニコラ・ペコビッチもけがが多く、シーズンを通して戦力として計算できない。昨年のオフにはケビン・ラブがクリーブランド・キャバリアーズにトレードされたため、ますますフロントコートの選手獲得が急務だった。

ポイントガードにおいては、昨季デューク大を全米優勝に導いたタイラス・ジョーンズを指名できたことで、戦力は上がったと考えて良い。オフには、39歳と高齢ながらも、知的で経験豊富なアンドレ・ミラーの獲得に成功したため、場合によっては、ルビオの放出に踏み切る可能性もゼロではないだろう。

最大の強みでもあり、問題でもあることは、若い選手を中心に現在のロスターが構成されていることだ。ガーネット、ミラー、そして同じく新加入テイショーン・プリンスは百戦錬磨の大ベテランだが、シューズを脱ぐときは近づいている。ただし、3選手ともにリーグ屈指のディフェンス力を持つ選手としても知られているだけに、守備がチームに勝利をもたらすという哲学を若手に伝えるには、十分過ぎる面子だ。

上記の選手を率いるフリップ・サンダーズHCは、がんの一種であるホジキンリンパ腫と闘病中で、健康面に不安を残すものの、来季開幕までには完治すると言われている。

若手とベテランのバランスが整いつつあるウルブズは、再建に向けた第2段階に入った。ベテランを格安で獲得し、サラリーキャップ(チーム総年俸額上限)に優しいチーム作りを続けるウルブズは、来年のオフ、トップクラスでなくとも、即戦力級のフリーエージェント選手の獲得に動くだろう。

強豪ひしめくウェスタン・カンファレンスを勝ち抜くには、最低あと1年は必要かもしれない。しかし、それでもなお、ウルブズは再浮上に向け、着々と足元を固めつつある。

原文: 30 Teams, 30 Days: Wolves laying new foundation by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ