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2015-16 戦力分析:ユタ・ジャズ

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NBA.comのショーン・パウエル記者が、全30チームの戦力を分析。今回は、ユタ・ジャズ編を紹介しよう。  

2015-16 NBA全30チーム戦力分析 


新選手:トレイ・ライルズ、ラウル・ネト、J.J.・オブライエン、ティボール・プレイス、ジェフ・ウィズィー
 
退団選手:ジェレミー・エバンズ

昨季のオールスターブレイク以降、NBA トップ6に入る戦績を収めたユタ・ジャズは、20代の若手を中心に構成されている。この事実だけを見れば、何も手を加えなくても心配は要らない。そしてジャズは、今のチームを成熟させる道を選択した。

しかしながら、昨シーズン後半戦からトレイ・バークに代わり先発に定着したダンテ・エクサムが来季プレーすることはないだろう。オフ中オーストラリア代表に招集されたエクサムは、オセアニア選手権前に行なわれたスロベニアとの強化試合で左ひざ前十字靭帯を断裂する重傷を負い、手術を受けたからだ。完治まで8か月と診断されているものの、仮にリハビリが順調に進んだとしても、チームは無理をさせない方針を取るだろう。

昨年のドラフト5位指名を受けたエクサムは、前半戦こそ期待に応えられず、1年目はフィールドゴール成功率35%、平均4.8得点という成績で終えたが、バークに代わって先発に固定された試合でチームが19勝10敗を記録するなど、将来的なケミストリーを予感させた。まだ20歳と若く、今回のけががキャリアに与える影響は少ないだろう。問題は契約更新時期にあたる2017年にジャズがどういう判断を下すかだが、この球団には、慌てず、じっくり育てていく方針を取れるだけの余裕がある。

来季開幕の先発全員が25歳未満になる予定のジャズよりも若いラインナップを組めるのはフィラデルフィア・76ersだけかもしれないが、チームの完成度で言えば、ジャズの方が遥かに上だ。ゴードン・ヘイワード、デリック・フェイバーズ、ルディ・ゴベール、アレック・バークスが中心のチームを作れている以上、ジャズは早急なトレードによる補強ではなく、チームを継続的に成長させていく青写真を描いている。

若手を中心に再建段階にあるジャズが、大物フリーエージェント選手の希望移籍先になることはない。よって、今後もドラフトによるチーム作りを優先させなければならない。

今年は12位でケンタッキー大出身のトレイ・ライルズを指名した。同大に1年だけ所属し、平均23分しか出場しなかったことを考えれば、おそらくチームは1年目にDリーグで経験を積ませると思われる。今のジャズにとって唯一の補強方法であるため、ドラフトでの失敗は致命傷になり得るが、ここ数年のドラフトを振り返れば、ヘイワード、バーク、バークス、エクサムの指名に成功しているだけに、ジャズは成功を収めたと言って良い。

身体能力が高いフォワードのジェレミー・エバンズがFAとなって退団したのは痛かったが、それも致し方がない。球団は辛抱強く未来図を描くことを決めたのだから、時間はたっぷりある。

原文: 30 Teams, 30 Days: Jazz continues youth movement by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ