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2015-16 戦力分析:シャーロット・ホーネッツ

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NBA.comのショーン・パウエル記者が、全30チームの戦力を分析。今回は、シャーロット・ホーネッツ編を紹介しよう。

2015-16 NBA全30チーム戦力分析 


新選手:ニコラス・バトゥーム、スペンサー・ホーズ、ジェレミー・リン、ジェレミー・ラム、フランク・カミンスキー
 
退団選手:ランス・スティーブンソン、ジェラルド・ヘンダーソン、ビスマック・ビヨンボ、モー・ウィリアムズ、ノア・バンレー

昨年のオフに比べれば、今年のシャーロット・ホーネッツの動きは良い。それだけ昨年のオフの補強に意味がなかったということでもある。

昨夏ホーネッツは、ランス・スティーブンソンと契約。今年サインしたフリーエージェント選手はジェレミー・リンのみだ。スティーブンソンは驚くほどに機能せず、わずか1年で放出した。

ウィングでのスコアラーを必要としたホーネッツにやって来たスティーブンソンへの期待値は高かったものの、結果は大失敗だった。3ポイントシュート成功率は17%で、フィールドゴール成功率も37%と、市場での評価をあげたインディアナ・ペイサーズでの前年を大きく下回った。開幕から2か月が経過した時点でスティーブ・クリフォード・ヘッドコーチは見切りをつけ、勝敗を左右する第4クォーターでスティーブンソンを起用しない判断を下した。過去にミスを繰り返した例はあるとはいえ、当初のプランは完全に崩壊したと言っていい。シーズン終了後すぐにスティーブンソンをロサンゼルス・クリッパーズに放出すると、オフにはよりバランスの取れた陣容を集めることに成功した。

ジェレミー・リンとジェレミー・ラムを格安で獲得したほか、ニコラス・バトゥームは来季が契約最終年だ。来年以降、同じシャーロットを本拠地とするNFLカロライナ・パンサーズのクォーターバック、キャム・ニュートンよりも人気と知名度があり、球団の顔になれる大物選手を獲得するため、懐事情に見合う範囲で良い選手を獲得した。

リンは、ケンバ・ウォーカーよりもプレーメーカー的なタイプで、ベンチから生産性の高いプレーで貢献してくれるだろう。ヒューストン・ロケッツはリンに球団を支えるような期待をかけて失敗したが、スポット的な起用であれば、大きな戦力になる。

バトゥームはポートランド・トレイルブレイザーズでの最終年で成績が振るわなかったが、それはケガをしていたことも1つの要因だ。スモールフォワードでは、マイケル・キッド=ギルクリストよりも洗練された攻撃オプションになれるだろう。ブレイザーズの中心を担っていたのはまだ数年前で、26歳という年齢を考えれば、ホーネッツが延長契約を提示したとしても驚きではない。

同様に、スペンサー・ホーズも、クリッパーズでの昨シーズンはあまり良い成績を残せず、プレーオフでの出場機会も限られた。しかし、3Pを決められるパワーフォワードだけに、クリフォードHCがどういうシステムを用い、ローテーションでホーズにどういう役割を与えるかにもよるが、ホーズは先発センターのアル・ジェファーソンがペイント内で動けるスペースを作れる存在だ。

そして、昨季の大学最優秀選手に輝いたフランク・カミンスキーが加わり、フロントコートの厚みが増した。プレースタイルはコーディ・ゼラーに近いため、2人を競争させるのか、それともゼラーへの信頼が薄れたのかはわからないが、センターが適正ポジションとも言われているだけに、ジェファーソンの後継者として指名した可能性もある。

いずれにしても、昨季リーグ28位の平均94.2得点、オフェンス率28位、2点、3P、フリースローを考慮したシュート成功率の指標であるトゥルーシューティングパーセンテージで29位という数字に終わったチームに、バスケットボールIQが高く、オフェンススキルをもたらすカミンスキーが加わったことは、プラスにはたらくはずだ。

さらにジェレミー・ラムの加入により、戦力の上積みに成功した。オクラホマシティ・サンダーでは思うような結果を残せなかったものの、身体能力が高く、シュートレンジも広い。同タイプのバトゥームが来年のオフに退団したとしても、穴を埋められるだけのポテンシャルを秘めている。

大型補強ではないが、スティーブンソンを放出し、大金をかけずに優れた選手を獲得できたのだから、的を射た補強を実行できた。毎シーズン予想するのが難しいチームではあるが、正しい方向に向かっているのではないだろうか。

原文: 30 Teams, 30 Days: Hornets moving in right direction by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ