NBA

2015-16 戦力分析:マイアミ・ヒート

Author Photo
Sporting News Logo

NBA.comのショーン・パウエル記者が、全30チームの戦力を分析。今回は、マイアミ・ヒート編を紹介しよう。 

2015-16 NBA全30チーム戦力分析


新選手:ジェラルド・グリーン、アマーレ・スタウダマイアー、ジャスティス・ウィンズロウ
 
退団選手:シャバズ・ネイピア

レブロン・ジェイムズを失った昨季、シーズン途中にクリス・ボッシュが病で離脱を余儀なくされ、ヒートはレギュラーシーズンで45敗を喫した。一昨季まで優勝候補筆頭と呼ばれていたチームが、だ。

だが、今年のドラフトでは勝者になれた。10位で指名したジャスティス・ウィンズロウは、ドラフト1位指名を受ける選手でもなく、NBA史上ベストな存在でキャリアを終えることもないだろうが、名門デューク大をNCAA優勝に導き、まだまだ成長が見込める。

ドラフト前の時点ではトップ5での指名もあり得ると思われていたが、結局10位まで残り、ヒートが指名することに成功した。まだ19歳と若いが、年齢以上に成熟し、冷静沈着で、指導し甲斐のある選手だ。今のヒートは再建段階から抜け出し、これから勝利数を伸ばしていく段階に入った。球団の顔であるドウェイン・ウェイドとプレーすることで、プロとしてのあり方を学び、王者の風格も傍で感じられる。つまり、ヒートとウィンズロウにとってウィン・ウィンの結果になった。

見る者を圧倒する一芸に秀でているわけではないが、ウィンズロウはガードとしてサイズがある方で、身体も出来上がっている。基礎もしっかりしていて、無謀なプレーをしない選手だ。ポテンシャルを生かし切れるかどうかは、本人、そしてヒート次第ということになるだろう。

朗報なのは、ヒートがNBAで経験のないウィンズロウに頼らなくても良い環境を整えているということ。ボッシュは血栓症を克服し、来季は万全な状態で迎えられる。昨季ひざの負傷で開幕から17試合でシーズン終了となったジョシュ・マクロバーツも復帰し、昨季途中にフェニックス・サンズとのトレードで加入し即フィットしたゴーラン・ドラギッチも、オフに大型契約を結んで残留を決めた。

昨シーズン掘り出し物となったハッサン・ホワイトサイドの活躍も期待できるほか、オフには格安でアマーレ・スタウダマイアーとジェラルド・グリーンという実力者を獲得できたことも大きい。

近年はコンディションが整わず評価を下げ続けているスタウダマイアーだが、来季はベンチから平均15分程度の出場が見込まれる。28歳のグリーンは、2年前から徐々にサンズで出場機会が減ったものの、迫力のあるダンクと、レンジの広いシュート能力は健在。ウィングのポジションに厚みをもたらすには最適な存在だ。

比較してはいけないかもしれないが、2010年にレブロンとボッシュを獲得して以来最大の補強に成功したと言っても過言ではない。

ウェイドら主力の残留に成功し、大型契約によりモチベーションを高めるドラギッチ、健康状態が回復したボッシュ、新鋭ウィンズロウ、そして経験豊富なスタウダマイアーとグリーンらが揃った。優勝は難しいだろうが、球団社長のパット・ライリーは、再び上昇できるだけの準備を整えた。

原文: 30 Teams, 30 Days: Return to contention possible for Heat by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)

著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ