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[青木崇コラム第2回]ゴーラン・ドラギッチ(フェニックス・サンズ)インタビュー「プレイオフ進出に向けてやる気はますます上がっている」

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終盤になってからコンディションのレベルも上がり、いい感じでプレイできている

――終盤を迎えた今シーズンを振り返ってみると、どんな印象を持っていますか?

ゴーラン・ドラギッチ(以下DG):みんないいヤツばかりだし、ケミストリーもすばらしいから、いいシーズンを過ごせている。新しいコーチ、GMの下、ここまではすべてがいい方向に進んでいると思う。我々はプレイオフに進める順位にいるから、何とか確保したいね。

――ジェフ・ホーナセックHCについてどんな印象を持っていますか?

DG:彼は我々により強い自信をもたらしてくれている。すばらしいリーダーであり、たとえ20点リードされていても冷静だから、自信を失うことなくプレイし続けられるし、大差を逆転した試合もあるからね。ジェフは長い間現役をやってきたから、ゲームのことをすごく理解している。練習の後もゲームについて勉強しているし、練習後1時間ほど若手のワークアウトに付き合い、いろいろ教えているのもごく普通のことだ。すでにすばらしいNBAコーチの一人だと思う。

――地元スロベニアでのユーロバスケットから長いNBAシーズンを戦ってきていますが、ここまで質の高いプレイを続けています。そのことについて自身でどう評価していますか?

DG:すばらしいシーズンを過ごしていると思う。ユーロバスケットに向けて2カ月準備をするなど忙しい夏を過ごし、大会後は休みを入れることなくすぐにサンズのキャンプに参加した。シーズン中盤にすごく疲労を感じたのは事実だけど、ホーナセック・コーチが休める時間を多くしてくれたから、終盤になってからコンディションのレベルも上がり、いい感じでプレイできているよ。

――昨年の今ごろと大きく違い、今年はプレイオフ進出を争っているだけでなく、より上の順位になれるチャンスがありますね?

DG:この状況はとてもエキサイティングだ。25勝しかできなかった昨シーズンは、サンズとして厳しいものだった。あの状況から今シーズンの成功に至ったというのは、本当に信じられないくらいすごいことだ。みんながハッピーな気分になり、プレイオフ進出に向けてやる気はますます上がっているし、いい試合をするのが待ちきれない、次の練習が楽しみという雰囲気になっている。まだウエストの5位や6位になるチャンスがあるから、それを現実にするには毎試合ハードにプレイすることに集中し、できる限り多くの勝ち星を手にするしかない。

(弟ゾランとは)スロベニア人の兄弟として初めてNBAで一緒にプレイすることになればいいな

――今シーズン、自身のプレイで向上したと思える部分は?

DG:シューティング、状況判断力といったことなどすべてだね。ここ3~4シーズンは常にポイントガードをやっていたけど、今シーズンは状況によってシューティングガードをやることも増えている。そのことによって、ゲームを違った視点で見ることができる。

――弟のゾランと一緒にNBAでプレイするのは夢の一つですよね?

DG:もちろん。いつか実現するといいな。スロベニア人の兄弟として初めてNBAで一緒にプレイすることになればいいね。スペインでいいシーズンを過ごしているから、この夏にどうなるか注目しないとね。どこかのチームでサマーリーグに参加し、なんとかチャンスをもらえることを願っているよ。

――夏にバスケットボールのワールドカップがあります。どんな大会になると思いますか?

DG:おもしろいトーナメントになるだろう。アメリカが当然本命だろうし、地元のスペイン、ヨーロッパを制したフランスも強い。多くのチームが世界を驚かすことになってもおかしくないし、長いトーナメントだからどんなことが起きても不思議でない。それぞれの国がどんな状態にあり、お互いに試合をしてみてどうなるかによって(状況は)変わってくる。

――ワールドカップで楽しみにしている部分は?

DG:今シーズンが終わってみないと、何も言うことはできない。プレイオフに進めるか、進んだらどこまで行くのかわからないからね。シーズンが終わってからでないと、代表チームの首脳陣と出場するか否かの話にはならない。だから、この時点で出場するか否かを明言することはできないよ。シーズンが終わってから、自分の状態や家族との話し合いをしてから最善の決断を下したいと思っている。

文:青木崇
Twitter: @gobluetree629

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