NBA

プレーオフ1回戦プレビュー:ブレイザーズ対グリズリーズ

Sporting News Logo

負傷者続出の強豪2チームがプレーオフ1回戦で激突する。メンフィス・グリズリーズ(55勝27敗/ウェスタン・カンファレンス第5シード)は、先発ポイントガードのマイク・コンリーがレギュラーシーズン最後の4試合を右足首捻挫により欠場。守備のスペシャリストであるトニー・アレンは左ハムストリングの張りで最後の9試合に出場できなかった。最終週にはマーク・ガソルも足首を捻り周囲をヒヤリとさせたが、幸いにも軽傷で済み、レギュラーシーズン最後までプレーを続けた。

一方のポートランド・トレイルブレイザーズ(51勝31敗/同第4シード)も主力を怪我で欠くシーズンとなった。ウェスリー・マシューズは左足アキレス腱断裂で今季終了。クリス・ケイマン(腰)、ニコラス・バトゥーム(右ひざ)、アーロン・アフラロ(右肩)は1回戦に出場可能かもしれないが、万全な状態ではない。

まったくタイプの異なる2チームによる同シリーズで注目される5つのポイント、展望、勝敗予想を、NBA.comのスティーブ・アシュバーナー記者が独自の視点で予想した。

◆5つの注目ポイント

1. レギュラーシーズンの対戦でグリズリーズが全勝した影響は?

影響はある。今季の4戦で全敗を喫したブレイザーズは、直近11度の対戦で9敗を記録。なんと言おうが、苦手意識は生まれているだろう。 

2. グリズリーズのクラッチプレーヤーは誰?

残念ながらグリズリーズに絶対的なクラッチプレーヤーはいないが、彼らは状況に応じて終盤にチームを引っ張る選手が変わる。今季は9試合で残り10秒以降にラストショットを決め、同点、あるいは逆転に成功しているが、それらを担ったのは5選手だ。ガソル(3回)、コンリー(2回)、コートニー・リー(2回)、アレン(1回)、ビンス・カーター(1回)。

3. なぜブレイザーズは強気でいられる?

昨季の1回戦を思い出してもらいたい。ヒューストン・ロケッツと対戦したブレイザーズは、劣勢と予想されたが、結果は勝ち上がってみせた。グリズリーズに4連敗を喫し、レギュラーシーズンも4連敗で締めくくったが、逆境には強い。

4. ウェストの第4シードながら、なぜホームコート・アドバンテージが得られない?

ブレイザーズはノースウェスト・ディビジョンで優勝したので、第4シード以上は確定させたが、プレーオフのルール上、ホームコート・アドバンテージは勝率順で決まる。従って、ブレイザーズは第1、2戦を敵地フェデックス・フォーラムで戦わなければならない。ちなみに、今季のブレイザーズは敵地で19勝21敗と負け越している。

5. 今シリーズでは、どちらのグリズリーズになる? 

もしコンリーとアレンが健康な状態に戻り、出場時間を制限されなければ、オールスターブレイクまでに39勝14敗を記録したチームに戻れるはずだ。彼ら2人が不在、もしくは本調子でなければ、15勝13敗、1試合平均94.2得点に対し94.3失点を記録した、後半戦のチームとなるだろう。

◆シリーズ展望

ブレイザーズはミドルポスト付近でラマーカス・オルドリッジにボールを預け、オフェンスを任せる傾向にあるが、ターンアラウンドシュートは平凡で、今季はどの選手よりも200本近く多くシュートを放ったが、成功率は49%と低い。ダミアン・リラードはピック&ロールから脅威となれる存在で、ロングレンジからもシュートを決められる。

グリズリーズは、インサイドでガソルがボールを保持し、そこからミドルレンジのシュート、中に入ったバックコートの選手へパス、あるいはザック・ランドルフとの連携という具合に、ガソルが起点となるケースがほとんど。ランドルフはセカンドチャンスからの得点(3.9)、そしてペイント内での得点(9.9)でリーグ最高の成績を残したが、守備に優れるバトゥームとアフラロが健康ならば、ガソルとランドルフへのボール供給を遮れるかもしれない。

◆勝敗予想

プレーオフとレギュラーシーズンは別物という意見もあるが、各チーム共に82試合を通じて得たデータもある。シーズン中の対戦でグリズリーズがブレイザーズを完封したこと、ホームコート・アドバンテージ、そしてブレイザーズの武器だったマシューズがいないとなれば、4勝2敗でグリズリーズが勝ち上がると考えるのが妥当だ。

著者