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プレーオフ1回戦プレビュー:マブス対ロケッツ

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ジェイムズ・ハーデンがヒューストン・ロケッツ(56勝26敗/ウェスタン・カンファレンス第2シード)にやって来たのは3シーズン前。一昨年は古巣オクラホマシティ・サンダー、そして昨季はポートランド・トレイルブレイザーズに1回戦で敗れ、早々に姿を消した。ドワイト・ハワードが加わっての2シーズン目、ロケッツは今季こそ最初の難関を突破しようと意気込んでいるだろう。対するダラス・マーベリックス(50勝32敗/同第7シード)は、昨年オフにチャンドラー・パーソンズ、そしてシーズン中のトレードでラジョン・ロンドを獲得し、着実に力をつけた。

テキサス州の都市を本拠地とする両チームのシリーズで注目される5つのポイント、展望、勝敗予想を、NBA.comのフラン・ブリンバリー記者が独自の視点で予想した。

◆5つの注目ポイント

1. マブスのハーデン対策

NBA史上初の年間フリースロー700本、3ポイントシュート成功数200本を超えたハーデンは、ドライブからのアタックも超一流。マブスがハーデンを抑えられるか次第で、シリーズの行方は大きく変わる。

2. ハワードは長時間プレーできるのか?

レギュラーシーズン中に右ひざの腫れと痛みで6週間の離脱を余儀なくされたハワードは、復帰後コートでアクティブな姿を見せた。だが、出場時間は短く、先発としての役割は果たせていない。1回戦では、ひざ、そしてスタミナが試されるだろう。

3. パーソンズは古巣相手に活躍できるか?

昨年のオフに制限付きFAとなったパーソンズに対し、ロケッツはマブスが提示したオファーにマッチしなかった。新天地で先発の座を掴んだパーソンズだったが、レギュラーシーズンのラスト6試合は右ひざの腫れと痛みにより欠場。本来チームが必要とした時期に離脱しただけに、プレーオフでの挽回が期待される。

4. ベンチの層が厚いのはどちらのチーム?

パトリック・ビバリーとドナタス・モティユナスは負傷したが、コーリー・ブリュワー、ジョシュ・スミスとロケッツのベンチは層が厚い。マブスがロケッツと対等以上に戦うには、アマーレ・スタウダマイアーがかつての輝きを取り戻す必要がある。

5. マブスはハック戦術を用いるか?

リック・カーライルHCは、レギュラーシーズン中の試合で対戦相手にフリースローの機会を易々と与える策を講じなかった。しかし、これは短期決戦のプレーオフ。ハワード、スミス、ジョーイ・ドージーのようにフリースロー成功率が低い選手を抱えるロケッツに仕掛けたとしても、驚きはしない。

◆シリーズ展望

ロケッツの戦術は至ってシンプル。ドライブからの得点、もしくは3Pから得点を決めるチームだ。今季はNBA歴代最多の3P試投数(2680)を記録したロケッツの鍵は、やはりハーデンが握っている。

対するマブスは、ダーク・ノビツキーとモンテ・エリスのピック&ロールに加え、エリスとロンドがオープンなスペースを有効に活用してくるはず。今季はチームリバウンド率でリーグ最下位の数字(47.8)を残しただけに、マブスはオフェンスで先手を奪う必要がある。

◆勝敗予想

ハワードが健康な状態と仮定すれば、ロケッツがハーデンとのワンツーパンチでマブスを撃破できるはず。しかし、それでも最終戦までもつれる可能性は高い。したがって、4勝3敗でロケッツが勝ち上がると予想する。

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