[宮地陽子コラム第7回]グラミー賞と渡邊雄太とピザ
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[宮地陽子コラム第7回]グラミー賞と渡邊雄太とピザ

今年もグラミー賞授賞式の時期がやってきた。NBAと何の関係があるんだ、と思う人もいるかもしれない。実は、グラミー賞授賞式の会場はレイカーズやクリッパーズのホームコートと同じ、ステープルズ・センターなのだ。そのため、授賞式の設置やリハーサルが始まる時期になると、レイカーズもクリッパーズもホームコートを明け渡し、揃って『グラミー遠征』に出かける。

今季からクリッパーズのヘッドコーチになったドク・リバースは、遠征直前の記者からの質問で『グラミー遠征』という名前を初めて聞いたらしく、「そんな呼び方をするのか」と妙に感心していた。選手時代にクリッパーズに所属したことがあるのだが、当時(1991-92シーズン)はまだステープルズ・センターは存在していず、グラミー賞授賞式も、ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールかロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで行なわれていた。つまり『グラミー遠征』自体がなかったのだから、聞いたことがないのも不思議ない。

そんなわけで、私もロサンゼルスにいても取材ができないので、グラミー遠征で東海岸にやって来た。といってもレイカーズやクリッパーズを追いかけてきたのではなく、目的地はコネチカット州にある高校、セント・トーマスモア・スクールだ。NBA選手では、アンドレ・ドラモンド(ピストンズ)やデビン・イーバンクス(前レイカーズ)らの出身校で、現在は、日本の高校を卒業した後にここに留学してきた日本人、渡邊雄太選手がいる。

初対面の日、試合が終わった後にロッカールームから出てきた渡邊選手は、ピザを食べていた。「試合後にピザ?」と思うかもしれないけれど、安くて、誰でも好きで、運動後で腹ペコの選手たちのおなかを簡単に満たし、試合がどんな辺鄙な場所で行なわれてもデリバリーで簡単に手に入るピザは、コーチたちの強い味方なのだ。それは、この学校に限らず、今まで見てきたアメリカの高校や大学では、かなりよく見る光景だった。

そんなことが気になったのは、実は少し前にNBAでアスレティック・トレーナーとして働く日本人の方と話したときに、NBAでも、試合後のポストゲーム・ミールにピザを出すチームがあり、それを選手たちも喜んで食べるという話になり、「試合後にあんなに脂っこいものが食べられるなんて信じられない」と言っていたからだ。


しかしアメリカで育った選手にとって、試合後といえばピザの世界でずっと育ってきたのだから、いくら脂っこくても、むしろ、試合が終わった後には、条件反射のようにピザが食べたくなるのかもしれない。NBAに入り、30代が近づいてからその食習慣を変えるのに苦労するわけだけれど、まぁ、彼らにとって、それはまだ先のことだ。

渡邊選手も試合後のピザはまったく抵抗ないそうで、何切れかパクついて食べていた。栄養学的にはあまりいいことではないのかもしれないけれど、そうやってすんなりと郷に入っては郷に従えるところに、彼の意外なたくましさを垣間見たのだった。

ちなみに、渡邊選手の、ピザ以外の、アメリカでの生活やプレーの話、将来の進路などについては、追々、別の複数の媒体に詳しく書く予定です。

文:宮地陽子
Twitter: @yokomiyaji

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