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それでもレブロンの「決断」を支持したいワケ(DUNK SHOOT)


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2010年7月23日更新              
レブロン・ジェームズの「決断」によって誕生したマイアミの新ビッグ3について、実に様々な意見が世間を賑わせています。ネットやツイッターで巷の意見を読んだり、NBAライターの方と話をしたり、雑誌編集の一環で様々な情報を仕入れているうちに、最近、ふとこんなことを感じました。

ひとつのネタをこんなにも多くの人が話題にすることが最近のNBAにあったかな、と。

2年前の夏にボストン・ビッグ3が結成された時も大きな話題になりましたが、ここまでの騒動ではなかったように思います。

『ダンクシュート』でもツイッターを利用してフォロワーの皆さんの意見を募集したのですが、予想を上回る反響がありました。多くの方が熱い思いをつづってくれたところに、ビッグ3の衝撃の大きさをひしひしと感じました。詳細は7月24日(土)発売のダンクシュート9月号に掲載していますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

今回はこの「今夏最大の事件」について、個人的な感想をまとめてみたいと思います。

問題の最大の焦点は「レブロンの決断を支持するかどうか」という点でしょう。結論からいうと私は「支持派」です。厳密に言うと「不支持派」から「支持派」に変わったというのが正しいかもしれません。

レブロンの決断を知った当初は、感情的に「支持したくない」という気持ちが湧いてきました。「フランチャイズプレーヤーの座を自ら捨てた」「ヒートはウェイドのチームであってレブロンのチームじゃない」「ヒートで優勝しても意味がない」「キング・ジェームズはプリンス・ジェームズに成り下がった」などなど、世間で言われている批判の大部分について、同意するところがありました。「キャブズに残って優勝することがレブロンにとって最も美しいストーリーだった」という考えについては、今も否定するつもりはありません。

マイケル・ジョーダンやコビー・ブライアントは、それぞれのチームで苦しい時期を乗り越えて、頂点に立ちました。だからこそレブロンも、安易に勝てそうなチームに移籍するのではなく自分で自分のチームを強くするべき――そうした意見は「不支持派」に共通する思いでしょう。それはスーパースターの物語としてわかりやすく、美しいものであると私も思います。

でも、こうも考えられないかと最近になって思い始めました。ジョーダンやコビーと違う道を選んだっていいじゃないか、と。

確かに故郷の弱小チームに身を捧げ、苦難を乗り越えて最後に優勝する、そこに感動がある、という考えはよくわかります。むしろ、私自身もそうした感情移入しやすい、ベタな展開は好きなクチで、そういうレブロンを見てみたかった、という気持ちも少なからずあります。

それでも、今はこう考えています。

フランチャイズプレーヤーとして生きる道だけがすべてじゃない。レブロンにはレブロンのドラマがあるはずだ、と。

二大スーパースターと違う生き方を選択したことで、まったく新しい歴史を築く可能性がある。それはジョーダンともコビーとも違う、レブロンだけの物語になるはずです。「決断」から少し時間が経った今になってみると、そっちへの期待のほうが大きくなってきています。

ビッグ3を中心としたヒートが勝ちまくって圧倒的強さで優勝するかもしれません。あえなくチームが破綻してビッグ3が崩壊してしまうかもしれません。レブロンがウェイドのサポーティングキャストに成り下がる可能性だってあります。今、多くの人に批判されている決断も、数年後には賞賛に変わるかもしれませんし、史上最悪の決断として歴史に刻まれることになるかもしれません。

ただ、ひとつだけ確かなことは、レブロンが選手としてどんな存在になるのか、彼に対する評価がどう変わるのか、まだ誰にもわからないということです。この「わからなさ」具合が、たまらなく楽しい。レブロンと同時代を生きるNBAファンの1人として、今後の展開が楽しみで仕方ありません。

賛否両論を巻き起こすチームが完成したことで、来季への期待や注目は確実に高まりました。自らの決断によってかつて味わったことのない批判にさらされているレブロンが、新天地でいったいどんな戦いを見せ、どんな結末を迎えるのか?

観る側にそんな楽しみを与えてくれたという意味で、レブロンの「決断」を支持したいと思っています。


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DUNK SHOOT
ダンクシュート編集部 副編集長:及川卓磨 /  Takuma Oikawa
毎月25日発売のNBA専門誌『ダンクシュート』(DUNK SHOOT)の副編集長。
中学~高校時代はバスケットボール部に所属し、心の中で「日本人初のNBA選手になる」という壮大な夢を抱くも、部内のレギュラー争いにさえも敗れ、あえなく挫折。
大学在学中に「観る」「伝える」ことの方が性に合っていると悟り、現在に至る。
弊誌 URL www.dunkshootnet.com
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